村瀬嘉代子著

心理療法と生活事象
クライエントを支えるということ

220頁 定価(本体3,200円+税) 2008年9月刊


ISBN978-4-7724-1047-2

 心理臨床の目的は,クライエントにとって役に立つ援助を提供することである。実際の現場において使われるという質の高い心理的援助には,学派を超えて通底するものがある。
 著者は,「クライエントを支える」という営みの広がりと基盤は,知識・技能のみならず,治療者の人間性が問われ,何気ない日常生活の中のやりとりにこそ,心理療法の骨子,本当の心のケアがあると説く。さらに,病を抱えて生きるクライエントの『生活』のあり方を時間軸と空間軸の中で捉え,障害とともに生きて行かざるを得ない場合でも生活の質を向上するための援助の必要性を指摘する。
 クライエントのためにという視点を優先し,百花繚乱の心理療法において屹立する,著者の統合的アプローチへ到る思索と実践の軌跡。

おもな目次

    子どもが求めるもの―生まれてきてよかった,この世は生きるに値する,居場所感覚
    心理臨床の営みと生活事象―統合的アプローチへ到る道
    さまざまなものの統合としての心理療法
    自律と保護のバランス―世界に開かれゆく子どもの傍らにあるとき
    子どもが心理的援助を受けるということ―個別的にして多面的アプローチ
    青年の心理的援助において求められるもの
    障害を抱えて生きることとライフサイクル
    特別支援教育におけるカウンセリング・マインド―軽度発達障害児への理解と対応
    被虐待児の理解と援助
    中年になった障害者の課題―障害者に出会う健常者の課題
    高齢者心理臨床における専門性と人間性
    心理臨床における質的研究の理論的検討と実践の展開(第一報)―児童養護施設における関与的観察調査に基づいて
    村瀬ワールドに包まれる