E・K・ライナソン著/藤野京子訳

犯罪・災害被害遺族への心理的援助
暴力死についての修復的語り直し

A5判 230頁 定価(本体3,400円+税) 2008年9月刊


ISBN978-4-7724-1048-9

 自殺,殺人,災害・事故による“暴力死(Violent Death)”は,単なる死を遙かに超えたものである。近年,犯罪被害者に対する支援活動が関心を集めているが,遺族への心理的ケアを扱った臨床書は希有であり,本書は,そのような暴力死に遭遇した被害遺族を支援するための介入法をわかりやすく述べた実践書である。
 著者の提唱するRetelling(語り直し)は,クライエント本人のリジリアンス(自身を修復する力)に着目した斬新な介入法であり,暴力死を経験する以前の状態に戻ることはできないものの,自身を変えていくことで,修復的な適応を試みるものである。多くの事例を挿入し,著者の暴力死の遺族に対する愛情に満ちた優しい眼差しと深い洞察が注がれた本書の記述は,きわめて説得力のあるものであり,現場の臨床家にとって遺族の心を理解するための格好の指針となるであろう。
 巻末には付録として,体系的なアセスメント,併存障害のスクリーニングのための尺度,集団介入についての計画表を収録した。

おもな目次

      プロローグ:暴力死についての語り直し

    第Ⅰ部 一貫性のある語り直し

      第1章 私自身の語り直し
      第2章 リジリアンスのある語り直し
      第3章 一貫性のない語り直しから一貫性のある語り直しへ
      第4章 修復的語り直しの例
      第5章 子どものための修復的語り直し

    第Ⅱ部 臨床的介入

      第6章 修復的語り直しのモデル
      第7章 修復的語り直しに特化した介入
      第8章 暴力死に関する先行文献についての語り直し
      第9章 臨床実践の未来像

      エピローグ:舟を漕ぎながら
      付録