ブライアン・ハーウィッツ,トリシャ・グリーンハル,ヴィーダ・スカルタンス編/斎藤清二,岸本寛史,宮田靖志監訳

ナラティブ・ベイスト・メディスンの臨床研究

A5判 320頁 定価(本体4,000円+税) 2009年6月刊


ISBN978-4-7724-1076-2

 統計学の視点にもとづくEBM(エビデンス・ベイスト・メディスン)から,EBMへの反省から誕生したNBM(ナラティブ・ベイスト・メディスン)への移行の諸相は,NBM研究の第一人者ブライアン・ハーヴィッツ,トリシャ・グリーンハル,ヴィーダ・スカルタンスたちの手によって鮮やかに本書に記される。
 本書は,自傷行為,思春期臨床,医療訴訟,聴覚障害,ホスピス・ケア,SARS,そして医療倫理にいたる幅広い領域をカバーしながら,数多くの事例報告をもとに,現代医療現場に欠かせない「ケア」としてのNBMの可能性を探る。
 既刊書『ナラティブ・ベイスト・メディスン――臨床における物語りと対話』(金剛出版)に最新の実践研究の成果を加えた,NBM研究者+実践家待望の続編。

おもな目次

      日本語版への序

    第1部 多様な物語(Narratives)

      1 ナラティブ・メディスンの倫理性:リタ・シャロン
      2 戦士から犠牲者へ――SARS流行における医師たちの報告:ユージーン・ウー,フランシス・ラポール,キップ・ジョーンズ,トリシャ・グリーンハル
      3 臨床世界における実演的な物語:シェリル・マッティングリー
      4 「私は切るわ,だってそれが助けになるからよ」――十代の少女たちの自傷行為に関するナラティブ:ペトラ・M・ボイントン,アナベル・アウアーバック
      5 DIPExプロジェクト――病いと医療の個人体験を集める:アンドリュー・ハークスハイマー,スー・ジーブランド
      6 終末期医療におけるスピリチュアリティと宗教のナラティブ:アーサー・W・フランク

    第2部 衝突する物語(Counter-narratives)

      7 闘士か傷者か? ――耳が聞こえない,あるいは聞こえなくなるという物語:レスリー・ジョーンズ,ロビン・バントン
      8 物語分析と代理ミュンヒハウゼン症候群への異議申し立て:クライブ・ボールドウィン
      9 専門家の誤りを質す――揺さぶられっこ症候群における両親への弁護:ジェームズ・レ・ファニュー
      10 統計学を超える物語の力――新生児黄疸と幼児の航空機内での安全性からの教訓:トマス・B・ニューマン

    第3部 物語を超えて(Meta-narratives)

      11 故郷喪失とアイデンティティの語り:ヴィーダ・スカルタンス
      12 研究のストーリーライン――系統的レビューへのメタ物語的アプローチ:トリシャ・グリーンハル
      13 精神科学領域におけるナラティブはいかにして働くか――PTSDの生物学的精神医学を実例として:アラン・ヤング
      14 医学的物語の時間的構築:ブライアン・ハーウィッツ