津川律子著

精神科臨床における心理アセスメント入門

四六判 240頁 定価(本体2,600円+税) 2009年6月刊


ISBN978-4-7724-1079-3

 チェックリストでもラベリングでもない「心理アセスメントの六つの視点」を,第七の視点(here and now)で有機的につなげ,クライエントの立体的な全体像をとらえるために――若手臨床心理士に贈る「心理アセスメント入門」必携書。
 心理アセスメントの六つの視点(トリアージ1・トリアージ2・病態水準にまつわる要素・疾患にまつわる要素・パーソナリティ・発達生活の実際)から得られたものは,第七の視点(here and now)を通じて集約され,ネットワークのようにつながりながら立体的に存在する。臨床心理面接と不可分な“それ”は“家”のイメージであり,アセスメントから得られた成果をヒントにクライエントの全体像を立体化してゆく内的努力を,セラピストは学派を越えて行なっている。この“家”(=心理アセスメントにおける六つの視点を通じて成っている立体的な像=臨床心理学から見たその人の全体像)のなかでクライエントとセラピストが共生するイメージ――それこそが,真の心理アセスメントである。

おもな目次

    1 今日も続くよ,精神科臨床の現場より

      Ⅰ ジャート
      Ⅱ 新薬の登場
      Ⅲ 電子カルテの導入
      Ⅳ 精神障害概念の激変
      Ⅴ 精神科臨床における心理アセスメント入門

    2 標準化という大きな課題

      Ⅰ WAIS‐Ⅲにおける標準化─何をもって標準化というのか
      Ⅱ ISO
      Ⅲ 精神障害概念の標準化
      Ⅳ ロールシャッハ法
      Ⅴ 再び「ジャート」
      Ⅵ ‘標準化’への心理的な抵抗感

    3 心理アセスメントとは?

      Ⅰ 心理診断から心理アセスメントへ
      Ⅱ 心理アセスメントという日本語に含まれる課題
      Ⅲ 心理アセスメントの定義
      Ⅳ 心理アセスメントのサンプル―SFAの一例

    4 関係の上に成立しているアセスメント

      Ⅰ 心理アセスメントのサンプル―CBTの一例
      Ⅱ 心理アセスメントの例題としてのSFAとCBT
      Ⅲ 関係性の上での心理アセスメント―その1・再アセスメントの重要性
      Ⅳ 関係性の上での心理アセスメント―その2
      Ⅴ 純粋科学への憧れと事実の一回性

    5 精神分析療法とクライエント中心療法

      Ⅰ 心理アセスメントの視点から見た各療法
      Ⅱ 心理アセスメントのサンプル―精神分析療法の例から
      Ⅲ 心理アセスメントのサンプル―クライエント中心療法の例から
      Ⅳ 二つの学派の共通特徴

    6 マルチモダル・セラピーと援助計画のための費用対効果分析

      Ⅰ SFAとCBTの共通特徴
      Ⅱ 心理アセスメントのサンプル―マルチモダル・セラピーから
      Ⅲ 心理アセスメントの全体像
      Ⅳ 援助計画のための費用対効果分析

    7 精神科臨床における心理アセスメントの六つの視点Ⅰ トリアージ1

      Ⅰ トリアージ

    8 精神科臨床における心理アセスメントの六つの視点Ⅰ トリアージ2

      Ⅰ トリアージ
      Ⅱ 他のポイント

    9 精神科臨床における心理アセスメントの六つの視点Ⅱ 病態水準にまつわる要素

      Ⅰ 病態水準

    10 精神科臨床における心理アセスメントの六つの視点Ⅲ 疾患にまつわる要素

      Ⅰ 疾患にまつわる要素

    11 精神科臨床における心理アセスメントの六つの視点Ⅳ・Ⅴ パーソナリティと発達

      Ⅰ パーソナリティ
      Ⅱ 発達

    12 精神科臨床における心理アセスメントの六つの視点Ⅵ 生活の実際と第七の視点

      Ⅰ 「心理アセスメントの六つの視点」の最後
      Ⅱ 六つの視点から,それらを統合する第七の最重要視点へ
      Ⅲ 第七の視点
      Ⅳ 精神科臨床における心理アセスメント能力の熟達
      Ⅴ 精神科臨床にとって必須のアセスメント能力
      Ⅵ 本書のおわりに際して