日本語版への序

 ジェフリーと私とで今日最も優れているとされる多くのセラピストとインタビューの機会を持てたことは光栄の極みであった。経歴について語ってもらい,実際にその理論がどのように実践されているのかをビデオに撮らせてもらい,その特定のケースについて何をしたのか,なぜそうした介入指針を選択したのかなど広範なインタビューをした。私たちには他にも,最もうまくいったケースを集めた“Their Finest Hour”,最も奇異で特異なケースを語った“The Mummy at the Dining Room Table”,そして最もクライアントがセラピストを変えてくれたケースについての“The Client Who Changed Me”といった著作もある。
 この本では私たちはエキスパートたちに,彼らの最悪のセッションとそこから学んだことを尋ねて回った。その結果わかった事実は,すべてのセラピストがまずい面接をするということである。では,セラピストの良し悪しは何で決まるのか,という大きな疑問がわく。答えは,そのセラピストが失敗で起きたことを修正し,学習していけるかどうかにあるのだ。
 この本ではセラピストが陥りやすい主だったミスについて洞察を深めるだけでなく,今後そのようなミスを防ぐにはどうしたらよいかについての考えも示している。読者の皆様にこれからのストーリーを楽しんでいただき,エキスパートたちが教えてくれた大切な教訓を皆様にも学び取っていただきたいと思う。

Lake Geneva, Wisconsin ジョン・カールソン,Psy. D, EdD