村瀬嘉代子著

新訂増補子どもと大人の心の架け橋
心理療法の原則と過程

四六判 300頁 定価(本体2,800円+税) 2009年9月刊


ISBN978-4-7724-1087-8

    「〈臨床〉とは,そもそも病床に臨むことを意味するが,私の立場はあくまで基本的には,個人の内面に身を添わせつつ,その視点から人間や社会,時代を理解しようとするものである……」(本書より)
 本書は,子どもの心理的援助を構造的に理論から実践まで論じた重要論文「子どもの精神療法における治療的な展開」を含む,著者の臨床の原点ともいうべき著作であり,ごく初歩的な面接の基本が平易に書かれているように見える。しかし,実践を積んだ臨床家であるならば,ここに書かれている基本の「徹底」こそが,あらゆる臨床課題の最大の骨子であることに気づくだろう。
 今回改訂にあたって,大正大学における「最終講義」を新たに収録した。

おもな目次

      序文(中井久夫)

    □序編

      「伝える」ということ
      病む子どもの心に出会う
      治療者に求められるもの―「つなぎ手」として―

    □第Ⅰ部 子どもからみた心理療法

      子どもからみた親・夫婦―心理療法的観点から―
      子どもからみた治療者―それは万華鏡のよう―
      児童治療における治療者―親―教師の関係―臨床における相互不信に陥らぬために―

    □第Ⅱ部 治療原則と症例研究

      子どもの精神療法における治療的な展開―目標と展開―
      子どもの心理療法過程に登場する動植物
      さまざまな身体症状を訴えた一少女のメタモルフォーゼ―わがうちなる「雪女」に気づくまで―
      村瀬嘉代子氏の症例を読んで―中井久夫
      中井論文を読んで

    □第Ⅲ部 児童期の心の問題と心理的援助

      不登校と家族病理―個別的にして多面的アプローチ―
      子育ての喜びに気付くまで―自閉症児をもつある母親との面接経過―
      いわゆる学習障害児について
      「いじめ」への治療的アプローチ
      心の拠り所とは何か―癒しとしての宗教―

    最終講義:心理臨床のこれから―パラドックスのなかを模索してきて―