マイケル・ホワイト著/小森康永,奥野 光訳

ナラティヴ実践地図

A5判 264頁 定価(本体3,800円+税) 2009年10月刊


ISBN978-4-7724-1095-3

 ナラティヴ・セラピーの創設者である著者の20年以上の経験の集大成として書かれた本書は,ナラティヴの体系とテクニックを理解し,実践するための決定的なガイドである。
 「外在化する会話」「再著述する会話」「リ・メンバリングする会話」「定義的祝祭」「ユニークな結果を際立たせる会話」「足場作り会話」というナラティヴ・セラピーの六つの主要な技法を,実際の臨床場面でどうやって用いればよいのかが,トラウマやアディクション,摂食障害やDVといったケースでの実際の面接の逐語録と,詳細な解説によって示される。
 また面接の進行の様子がチャートとして地図化され,人々の人生のストーリーがいかに治療的可能性にあふれたものであるのかがより良く理解できる。
 初心者がナラティヴ・セラピーの何たるかを知るに格好の書であると同時に,経験を積んだセラピストにとってもナラティヴ・セラピーの魅力を繰り返し発見させられる,マイケル・ホワイト最後にして最高の1冊である。

おもな目次

    第1章 外在化する会話

      ジェフリー
      振り返って:外在化する会話についての私の研究の起源
      外在化する会話の発展を支えるアイデア
      セラピストの姿勢
      メタファー
      全体化する
      行為のメタファーと全体化の危険についての最後の覚書
      その他の外在化する会話
      立場表明地図:四つの質問カテゴリー
      結論

    第2章 再著述する会話

      リアムとペニー
      再著述する会話の構造
      実践への示唆
      リアムとペニーとの再著述する会話をマッピングする
      アイデンティティの風景質問の利点と目的
      志向的状態理解VS内的状態理解
      アイデンティティの風景:心の書類整理棚
      追加実例
      結論

    第3章 リ・メンバリングする会話

      ジェシカ
      もう一度こんにちはを言う
      リ・メンバリングする会話の利点と目的
      トーマス
      結論

    第4章 定義的祝祭

      アリソン,フィオナ,ルイース,そしてジェイク
      聴衆を関わらせる:治療実践において定義的祝祭の利用をもちかける
      定義的祝祭の起源
      治療実践における定義的祝祭
      定義的祝祭構造
      アウトサイダーウィットネスの選抜
      定義的祝祭会話における治療的責任
      テクノロジー,無名性,そして倫理
      結論

    第5章 ユニークな結果を際立たせる会話

      ピーターとトゥルーディー
      ユニークな結果
      立場表明地図ver.2
      立場表明地図の中途採用
      ナラティヴな会話の特質:ユニークな結果から豊かなストーリー展開へ
      結論

    第6章 足場作り会話

      ペトラ
      私的行為体と責任ある行為
      私的行為体,責任ある行為,そして概念発達
      発達の最近接領域と治療的会話
      セラピストの責任
      足場作り会話の視点から見た外在化する会話

      結論