あとがき

 われわれが,第1次調査を実施してから10年以上が経過しました。その後,2006年以降の第2次調査における子どものロールシャッハ反応を第1次調査のそれと比較するといくつかの変化が認められます。その背景に,10年という短い期間においても,日本の子どもたちを取り巻く環境は変化してきていることが,一因として考えられるように思われます。めまぐるしく変化する現代社会の中で,われわれはできるだけ早い段階で調査の結果を広く還元したいと考え,本書の作成に取り組んできました。文中でも触れてきましたが,本書は決して標準データの提供を目指すものではなく,現代の日本に生きる子どもたちが,例えば一般的にはどのようなロールシャッハ反応を産出するのか,ということを広く読者の方々に知ってもらい,臨床場面や発達的研究などの参考になることを願うものです。そして,それが現代の日本に生きる子どもたちへの支援において何らかのプラスに繋がるとしたら,これ以上の喜びはありません。
 本書は,多くの方々の支えによって成り立っています。
 まず最初に,何よりも,調査に協力してくれた子どもたちと学校の先生方に深く感謝申し上げます。子どもたちは,ロールシャッハ法に対してとても興味深く,楽しそうに,あるいはやや緊張の面持ちで接近し体験してくれました。また,検査者として多忙な臨床活動の合間を縫って協力していただいた多くの臨床心理士の先生方,そして集計作業を快く手伝ってくださった名古屋大学大学院の院生の皆様には,下記に氏名を掲載し深謝申し上げます。
 またご著書である「ロールシャッハ形態水準表」の一部引用を快くご許可くださった高橋雅春先生(関西大学名誉教授)・高橋依子先生(甲子園大学)・西尾博行先生(文京学院大学)に深く感謝申し上げます。小川俊樹先生(筑波大学)には,本書作成を含め,日頃よりわれわれの研究にご助言,ご指導をいただき深謝申し上げます。
……(後略)

平成21年 秋 著者一同