藤岡耕太郎著

精神科医のための解決構築アプローチ

A5判 184頁 定価(本体2,800円+税) 2010年04月刊


ISBN978-4-7724-1122-6

 精神科医療をめぐる状況がめまぐるしく変化するなかで,精神科医の仕事は多忙をきわめている。「患者中心の医療を」しかも,「早く,安く,効果的に」という社会の要請がそこにある。
 本書で著者は「解決構築アプローチ(SBA)」を,多様な場面で使える「万能アプリケーションソフト」として,さらに精神科臨床全体を方向付ける「OS(オペレーティングシステム)」として活用することを提案する。
 心理療法の一つとして開発され,発展してきたSBAは,クライエントの希望を引き出し「ゴール(目的)」に向かって「変化」を積み上げるシンプルな支援技法である。SBAは疾患や状況を選ばず,カウンセリングや医療を超えて,あらゆる対人支援に適用できる。
 読者は豊富な逐語録と解説を通して,外来診療,入院診療から,グループセラピー,カンファランス,教育まで,精神科医に求められるさまざまな業務がSBA一つでマネージメントできることを理解できるだろう。さらに臨床家なら避けることのできない年月のかかる困難な事例,危機的状況,トラブルについてもSBAの応用が示されている。
 人間への深い信頼によって裏打ちされたSBAの理念と技法は,診療の質を高め,精神科臨床はより効率的に,そして未来志向に変化する。SBAの創始者インスー・キム・バーグとスティーブ・ディ・シェーザーの哲学に忠実に,日本の土壌に合ったバージョンアップを模索してきた著者による,新時代の精神科臨床のための書下ろし。

おもな目次

「精神科医のための解決構築アプローチ」の著者への謝辞:磯貝希久子
はじめに
第1章 原則,前提,方法論
第2章 外来診療
第3章 入院診療
第4章 集団療法
第5章 カンファランス
第6章 精神科病院特有の状況での適用法
第7章 教育(講義,講演,心理教育,研修医教育など)
第8章 エビデンス/アウトカム
第9章 “医療資源を統合するOS”としてのSBA
第10章 トレーニング
文献・資料
あとがき