高橋哲郎,野島一彦,権 成鉉,太田裕一編

力動的集団精神療法

A5判 300頁 定価(本体4,200円+税) 2010年3月刊


ISBN978-4-7724-1128-8

 S・フロイト,M・クライン,W・ビオン,S・フークス,C・ロジャーズを思想的背景とする,統合失調症,パーソナリティ障害,双極性障害,慢性うつ病患者への集団精神療法の長き苦闘の実践録。集団をマネジメントする臨床家の徹底した基本的技法,慢性化にともなうクライエント特有の心理の理解,患者への愛情,さらに遷延化する症状への治療をあきらめない根気が求められるなかで,力動的集団精神療法は実践されていく。力動的集団精神療法の創始者たちのキータームの解説を試みる「理論編」にひきつづき,精神科慢性疾患と向き合いつづける臨床家たちの実践をつづった「実践編」を,いわば絶えず行き来するなかで,本書はこれまでに類を見ない力動的集団精神療法を理解・実践するための決定的な一冊となる。

おもな目次

まえがき 高橋哲郎
「精神科慢性疾患の力動的集団精神療法の会」の経緯 太田裕一
第1部 理論編

    第1章 対象関係集団精神療法―ビオンの基底的想定集団概念 高橋哲郎
    第2章 対象関係集団精神療法における「妄想−分裂ポジション」と「抑うつポジション」について 権 成鉉
    第3章 フークスの集団分析と精神科慢性疾患の集団精神療法 太田裕一
    第4章 若い臨床家のためのガイド「統合失調症患者への力動的集団精神療法」 太田裕一

第2部 実践編

    第5章 統合失調症に対する力動的精神療法とその有効性 高橋哲郎
    第6章 アメリカ精神科病院での事例 高橋哲郎
    第7章 精神科病院での長期グループの事例 野島一彦
    第8章 統合失調症患者対象の集団精神療法における喪失と希望の持つ意味 太田裕一
    第9章 集団精神療法における転移と行動化,ワークスルー―躁的防衛としての「たまり場」から「オアシス」へ 権成鉉
    第10章 多様な病態水準で引きこもり症状を示す患者達のコンバインド・セラピー―“暴力の影”夢想,暴力的交流と団結,怒りの“容器”としての言葉 手塚千惠子
    第11章 無期限にしばりつける悪い母―うつ病患者への精神分析的集団療法の一事例 黒崎郁彦
    第12章 短期力動的集団精神療法の可能性―教師の職場復帰支援グループを通して 井上麻紀

索引
初出一覧
執筆者一覧
編者略歴

関連書