村瀬嘉代子著

統合的心理援助への道

四六判 232頁 定価(本体2,400円+税) 2010年5月刊


ISBN978-4-7724-1132-5

 臨床は援助を必要としている個人を大切にすることであって,その個人の今の現実に適合する理論や技法を用いるべきなのだ。理論に現実を合わせることではない。さまざまな人々に出会う過程で,個別に即して,理論や技法をどう適用するか。援助する「人」がもつ望ましい要因とは?  自らの臨床家としての歩み,印象的なクライエントとのやりとり,臨床心理学と精神医学・科学との関わり,21世紀の心理臨床家に求められることなど,統合的心理援助への指針を導き出す,村瀬嘉代子と田中康雄,村山正治,中井久夫,滝川一廣,青木省三,新保幸洋の各氏による対談集。

おもな目次

第1章 子どもの心に出会うこと 統合的アプローチの視点から(1)〈村瀬嘉代子・田中康雄〉

    はじめに
    事例
    日常を支える・生き方から学ぶ

第2章 子どもの心に出会うこと 統合的アプローチの視点から(2)〈村瀬嘉代子・田中康雄〉

    切り取られた人生の真実を見つめる
    等身大で人と向き合う
    つねにリニューアルして相手と向き合う

第3章 心理臨床の未来 ロジャース・グループ・統合的アプローチ〈村瀬嘉代子・村山正治〉

    グループワークと統合的アプローチ
    ロジャースと統合的アプローチ
    科学と臨床心理学の絆
    セラピストの統合
    統合的アプローチの本質
    21世紀の臨床心理学に求められること

第4章 私が面接で心がけてきたこと精神科臨床と臨床心理学をめぐる考察〈村瀬嘉代子・中井久夫・滝川一廣〉

    臨床のはじまり
    私はなぜ精神科を選んだのか
    精神科臨床の日々
    症例は生活の輪郭を描く
    一通の手紙
    複数の偶然のめぐりあわせ
    精神医学と臨床心理学との接線
    ロゴスなき面接

第5章 統合的アプローチと思春期臨床〈村瀬嘉代子・青木省三〉

    迷いながら書くこと・疑いながら聞くこと
    精神療法への異論と自戒
    障害を見つけること・可能性を見つめること
    「思春期危機」という古くて新しい言葉
    適正なコミュニケーションによる相互理解
    青年が変わる瞬間と生活の質
    青年への援助のかたち
    統合的アプローチと思春期臨床
    生の全体を見透す立体的視点
    こころとからだ
    真の統合的アプローチ

第6章 心理臨床家の成長と発達 統合的心理療法と熟達化研究の関係性〈村瀬嘉代子・新保幸洋〉

    統合的アプローチと熟達化
    講演概説
    熟達化研究からの示唆
    熟達化研究の発展
    心理臨床家の成長・発達研究
    統合的心理療法と心理臨床家の成長・発達
    世界は開かれ、思考は収斂する
    相対化の視点
    身体感覚と心理臨床

対談を終えて