市山康暢著

研修医,プライマリ・ケア医のための家族面接入門

A5判 168頁 定価(本体2,800円+税) 2010年5月刊


ISBN978-4-7724-1135-6

 「患者さんと話すのが苦手」「家族とのコミュニケーションがうまくいかない」
 本書は,患者やその家族とのコミュニケーションが苦手な研修医やプライマリ・ケア医のための医療コミュニケーション入門書である。日常診療で遭遇しがちな困難な事例を紹介しながら,家族療法やシステムズ・アプローチの理論をもとに,患者や家族との医療面接が上達するための技術を分かりやすく解説する。

おもな目次

『家族面接入門』刊行に寄せて
はじめに

第1章 家族との対話の必要性

    家族との対話以前(個人的経験)
    この本での目標
    複数との面接の特殊性(個人との面接と複数との面接の違い)
    訴訟のきっかけが周囲の意見から起こりうる
    家族の力をフル活用することができるようになる
    患者さんだけでなく,家族への心理的配慮を
    医者としての付加価値
    医療従事者の心的負担軽減にも期待できる

第2章 コミュニケーションの前に

    枠組み=フレームとは?
    客観的,科学的という幻想
    客観的,科学的の枠組みが絶対でなくなると
    自律的主体という幻想
    頭の中では「臨床医学の面接」と「関係をつくるための面接」に分ける
    中立性は存在しない=自分のことは自分で分からない
    問題は問題として語るから問題であるという考え

第3章 コミュニケーションについての理論

    言語コミュニケーションと非言語的コミュニケーション
    対称的関係と相補的関係
    コンテンツとコンテクスト
    言葉,質問,理解
    システムという視点
    困った状況に対しては「変化」を導く
    パラドックス

第4章 家族とのコミュニケーション技術

    家族とのコミュニケーションがうまくいく3つの方法
    自分の置かれている状況について考えておく
    出会い,自己紹介
    相手のムードや雰囲気に合わせること
    相手の話の内容に合わせること
    傾聴,共感について
    相手のルールに合わせること
    関係づくり(ジョイニング)がうまくいっているかどうか
    仮説設定について
    流れにまかせる
    合わせる,合わせない
    面接の展開はできるだけさまざまな可能性を予測しておく
    家族以外の集団との対話の仕方
    心理学的tipsのつけくわえ

第5章 面接の障壁

    オープンクエスチョンで面接を始める
    患者さんが十分納得できるように病状をきちんと説明すべきである
    患者さんが安心して何でも話せるようにしなければならない
    あくなき原因の追究
    指示することの難しさ
    よくあるパターナリズム批判
    思いやり,やさしさ

第6章 どのようにコミュニケーション技術を

    身につけていくか
    相手の言葉をオウム返し
    うまくいってるところを見つけて焦点をあてる
    過去の成功を発掘する
    どうなりたいかに焦点をあてる
    悪循環という考え方
    コンプリメント(賞賛)とねぎらい
    ノーマライゼーション
    あてずっぽうでも,「不安」に焦点をあててみる
    うまくいかない時にどうするか

第7章 コミュニケーションの先にあるもの

    混沌に耐えられるか
    首尾一貫性のなさに耐えられるか
    頼るものがないことに耐えられるか
    ものの見方を変えることに耐えられるか
    反省ではなく,自分が変化することに耐えられるか
    対話は何かを生み出すのか?

第8章 家族面接―症例編1

    近くの家族より遠くの親類?
    苦言を歓迎
    問題の決定権は誰が持つ?
    敵の味方は敵
    おこりっぽかったり,わがままだったり
    失敗(その1)
    失敗(その2)
    予想してみる
    犬猿の仲
    認知症と家族
    腰痛は誰のせい
    いつもうまくいくとは限らない
    共感を急ぎすぎるべからず(その1)
    共感を急すぎるべからず(その2)
    家族との初回面接

第9章 家族面接―症例編2

    認知症やせん妄で問題とされた患者さんとその家族
    問題の窓口を間違えた場合
    医療サイドと家族の中のキーパーソンが一致しない場合
    遠くの親類が来た場合
    家族の中で意見が食い違う場合
    要求の多い患者さん,家族

第10章 家族面接―症例編3
あとがき