成田善弘著

精神療法面接の多面性

四六判 240頁 定価(本体2,800円+税) 2010年9月刊


ISBN978-4-7724-1153-0

 本書は,精神療法家のためのすぐれた実践書である。しかし,その内容はマニュアル的なものではない。治療関係と構造,面接の方針,臨床現場における多面的な課題を取り上げ,精神療法面接をいかに行うべきかをわかりやすく解説したものである。
 著者は,人間の心という大きな不思議なものへの畏れの気持ちと,それに対して誠実に向き合うことをふまえ,自立した個としての患者の話をよく聞いて各々のストーリーを浮かび上がらせる。そして,具体的な事例を示しながらクライエントへの「援助」という視点を提示している。
 実際の臨床現場における経験からフィードバックされた面接者の心得,「精神療法家の仕事」の実際について述べられた懇切な臨床指導書である。

おもな目次

精神科臨床の多面性
精神療法を学ぶこと,伝えること―一精神科医のライフサイクル―
逆転移を通して学ぶ
昨今の青年期病像にみる意識と無意識
境界例―病態モデルと精神療法―
境界例とのかかわり―「援助」という視点ー
強迫の精神病理と精神療法の展開
解離をめぐる問題の所在
精神療法家の訓練
患者から学ぶ―治療者の介入に対する患者のコメント―
このごろ思うこと
書評
あとがき