影山任佐著

犯罪精神病理学
実践と展開

A5判 336頁 定価(本体4,500円+税) 2010年8月刊



ISBN978-4-7724-1154-7

 犯罪精神病理学の現代的課題とは何か? 
 「心神喪失者等医療観察法」の導入により,重大な罪を犯した精神障害者の処遇制度が大きく変革された。また「裁判員制度」の導入とともに犯罪者の責任能力が社会的関心を集めている。
 本書は,大量殺人,精神鑑定,アルコール・薬物依存と犯罪,ハラスメント,ストーカー,虐待と非行,子殺し,など,現代の社会病理と密接に結びついた現行司法精神医学の基本問題を論じた著者長年にわたる臨床研究の集大成である。著者は犯罪行為を通してトータルな人間理解を目指し,昨今,マスコミを賑わす異常犯罪に対する処遇,原因解明についての科学的根拠を示し,社会復帰と再犯防止のための提言を行う。さらに,経験科学的根拠としての責任能力論,司法精神医学の重要性を詳細なデータを基に論じている。

おもな目次

序論:犯罪精神病理学の新たな課題
◇第1部 司法精神医学と鑑定

    司法精神医学の基本問題
    フランスの精神鑑定と処遇
    反応性精神病
    パーソナリティ障害
    Theodore Roosevelt大統領暗殺未遂
    Reagan大統領暗殺未遂事件鑑定

◇第2部 酩酊犯罪

    アルコール犯罪と精神鑑定
    異常酩酊による犯罪

◇第3部 現代の社会病理

    大量殺人の犯罪精神医学的研究
    ハラスメント:現代の新型犯罪
    虐待と非行,子殺しについて
    「嫉妬社会」日本の現在
    現代日本と少年非行
    「タテ社会」の崩壊とレゾー型人間の誕生
    殺人大国アメリカとプロファイリング

◇第4部 海外の犯罪研究

    なぜアメリカの凶悪犯罪は減少したのか?
    ヴァージニア工科大学乱射事件に対する米国精神医学会(APA)の反応
    フランスの性犯罪:最近の動向とその対策
    大統領ストーカーと暗殺者

◇終章 精神医学・医療の光と影

    主体と客体の相克

あとがき