飯倉康郎著

(認知)行動療法から学ぶ
精神科臨床ケースプレゼンテーションの技術

A5判 234頁 定価(本体3,200円+税) 2010年10月刊


ISBN978-4-7724-1162-2

 精神科臨床において,自らのケースをプレゼンテーションすることは,非常に有意義な訓練になります。なぜなら,問題の評価や介入方法,結果を「具体的」にまとめて説明することは,臨床技術の向上にもつながると考えられるからです。
この「具体的」にまとめるという手段は,(認知)行動療法の重要なコンセプトのひとつであり,この本の特徴でもあります。
 本書は「具体的」なケースプレゼンテーション法を「具体的」に記した,まさに(認知)行動療法の考え方を基にしたプレゼンテーション技術の解説書です。
 ケースプレゼンテーション初心者(研修医,精神科医,看護師,臨床心理士,作業療法士,ソーシャルワーカーなど……)向けに「具体的」でわかりやすく,ケースプレゼンテーション法を解説しています。
 第一部では「臨床現場におけるケースプレゼンテーション」や「学会などの公開の場でのケースプレゼンテーション」などケースプレゼンテーションの方法論が書かれています。また,第二部はケースプレゼンテーションの症例が例示されており,第三部では実際にケースプレゼンテーションを行うために必要なプロセスが説明されています。そして,第四部にはこの本に出てきた専門用語の解説も掲載されており,精神科領域初心者の方にも読みやすい本です。

おもな目次

はじめに

第一部 ケースプレゼンテーションの基本

    T ケースプレゼンテーションの意義
      臨床現場におけるケースプレゼンテーション
      学会などの公開の場でのケースプレゼンテーション
    U ケースプレゼンテーションのテーマの選択
    V 行動療法のケースプレゼンテーションのまとめ方とスライド作成のポイント
    W 公開の場でのプレゼンテーションの留意点

第二部 ケースプレゼンテーションの実際

    症例A:十分な条件が整わない入院環境における強迫性障害の行動療法
    症例B:ADHDを伴うトゥレット障害患者の暴力行為への対応
    症例C:アルコール多飲と強迫症状を伴う重症うつ病の治療経過
    症例D:ADHDを合併している強迫性障害に対する行動療法
    症例E:頻回の粗暴行為により,保護室入室を繰り返していた重度精神遅滞患者に対する「トークンエコノミー法」と「ディエスカレーション技術」の併用の試み
    症例F:執拗な強迫症状を伴う統合失調症圏患者に対する薬物療法と行動療法の治療過程
    症例G:強迫性障害の臨床における行動療法と薬物療法の“連動”―執拗な確認行為のため日常生活に著しく支障をきたしたOCD女性の治療経過
    症例H:重症広場恐怖に対するリハビリテーション的アプローチの試み

第三部 Let’s try! ケースプレゼンテーションを作成してみましょう

    T 自分のケースプレゼンテーションを作成してみましょう
    U 〈参考例〉症例Iのケース

      症例I:著しい被害妄想,不安,視野欠損などの問題をもつ認知症患者とその家族に対する重度認知症デイケアの関わり

第四部 第二部と第三部の症例に関連した専門用語の解説

あとがき