田中康雄著

つなげよう
発達障害のある子どもたちとともに私たちができること

四六判 280頁 定価(本体2,800円+税) 2010年11月刊


ISBN978-4-7724-1169-1

私は,人は必ずつながりあえることを信じていたい。

恐怖と期待,不安と希望,哀しみと喜びの世界で,終わりのない明日を迎える発達障害の子どもたちへ,支援者には何ができるのだろう。家族や世界とつながりあう道を探す発達障害の子どもたち,その傍らに寄り添う支援者のためにつづられた,たったひとつの臨床試論。
発達障害のある子どもたちの生きづらさを「生活障害」と読み替え、支援者ができることを長年にわたる臨床経験から提案する本書は,生物学的‐医学的な所見,発達の視点,社会との関係など,発達障害の子どもたちが置かれている現状をさまざまな面から理解し,支援へとつなげていく。子どもたちに注ぐ慈愛のまなざしは読者の心の琴線にふれ,そしてそこから支援のあるべき姿が浮き彫りにされていく。田中康雄、最新形の思考集成。

おもな目次

    第1章 発達障害のある子どもたちについて考える前に

      1 すこし長いまえがき
      2 発達とは、なんだろう
      3 育ちあう最初の頃
      4 「発達」が障害されるということ
      5 何を支援するべきか
      6 臨床に携わる者として

    第2章 広汎性発達障害のある子ども

      1 私の出会った子どもたち
      2 広汎性発達障害について
      3 子どもたちの理解
      4 広汎性発達障害のある子どもたちの内的世界
      5 互いの内的世界を差し出す

    第3章 注意欠如・多動性障害のある子ども

      1 私の出会った子どもたち
      2 注意欠如・多動性障害とその周辺について
      3 子どもたちと親の理解
      4 いったん診断名を留保する

    第4章 学習障害のある子ども

      1 私の出会った子どもたち
      2 学習に躓くということ
      3 子どもたちと親の理解
      4 おわりに

    第5章 子どもとの出会い

      1 はじめに
      2 診察室へ招く
      3 出会う
      4 話が始まる
      5 ひとまず話を終える
      6 おみやげとして

    第6章 それぞれの求めに応じる

      1 はじめに
      2 子どもの求めに応じて
      3 親の求めに応じて

    第7章 つながりあうために

      1 はじめに
      2 子どものことをわかりあうことのむずかしさ
      3 それらを克服するはずの連携を形づくることのむずかしさ
      4 おわりにかえて

    第8章 発達障害の周辺にあるもの

      1 はじめに
      2 発達障害がある子どもに認められる可能性のある周辺の障害群
      3 おわりに

    第9章 発達障害と「不適切な養育」

      1 はじめに
      2 児童虐待について
      3 おわりに

    第10章 支援について考える

      1 Aくんのこと
      2 Aくんとの出会いから学ぶ
      3 医療モデルからの脱却
      4 Bくんのこと
      5 Bくんとの出会いから学ぶ
      6 再び、医療モデルからの脱却

    第11章 支援について考えあぐねる

      1 Aくんのこと
      2 Aくんとの出会いから学ぶ
      3 みたび、医療モデルからの脱却
      4 縦の関係から横の関係へ、そして混じりあう、お互い様の関係へ

    第12章 理解しあうことのむずかしさ

      1 はじめに
      2 保育園でのこと
      3 子どもの気持ちに触れる
      4 治療の終結
      5 生活障害としての発達障害
      6 生活をむずかしくしていること
      7 終わりのない明日へ向けて

    あとがき
    索引