山崎 透著

児童精神科の入院治療
抱えること,育てること

A5判 184頁 定価(本体3,200円+税) 2010年11月刊


ISBN978-4-7724-1170-7

 著者は,約20年間臨床の現場に携わり,また二度にわたる児童精神科病棟の立ち上げと運営を経験し,日々,子どもたちを「抱え,育てていく」ことのできる病棟のあり方を考え続けてきた。その「集大成」とも言える一冊が本書である。
 児童精神科の入院治療というのは,症状や行動上の問題が深刻化して,家庭や学校,地域社会の中で行き詰まった子どもたちを「抱える」ことから始まる。そして,症状や問題行動を改善させる,すなわち「治療する」ことに加えて,子どもたちを「育てる」ことも同時におこなえる場でなくてはならない,と筆者は考える。
 児童精神科医に限らず,看護師,心理士,精神保健福祉士など,子どもの入院治療に携わるさまざまな職種の方々が,日々の臨床で困ったときに,役立つような内容となっている。情緒障害児短期治療施設や児童養護施設など,子どもに24時間寄り添い,支援している方々にも,是非読んでいただきたい。

おもな目次

    まえがき

    第1章:入院治療の理念と治療構造

      1.児童精神科の入院治療とは
      2.入院治療の対象
      3.入院の適応と治療の目標
      4.治療環境
      5.面会と外泊
      6.治療技法
      7.学校教育の役割

    第2章:入院治療の経過と対応

      1.外来
      2.導入期
      3.作業期
      4.終結期
      5.進路選択をめぐって

    第3章:治療スタッフ

      1.治療スタッフに求められる役割と基本姿勢
      2.治療スタッフが体験すること
      3.看護体制をめぐって
      4.他職種によるチームが機能するには
      5.治療スタッフの分裂

    第4章:保護者への支援

      1.入院をめぐる保護者の感情
      2.保護者支援の基本的な姿勢
      3.保護者との間で起こる問題
      4.家族会

    第5章:入院治療/看護の要点

      1.子どもと治療的に関わるために
      2.直面化と行動制限

    第6章:病棟医として心掛けておきたいこと

      1.児童精神科の入院治療という「文化」が根付く努力をしていく
      2.児童精神科病棟が存続するための努力を怠らない
      3.児童精神科病棟が一定の「治療力」を維持していくためにさまざまな工夫をおこなう参考図書および文献

    あとがき