大野 裕編

うつ病治療ハンドブック
診療のコツ

A5判 360頁 定価(本体4,600円+税) 2011年1月刊


ISBN978-4-7724-1178-3

 うつ病は原因も病像も多様で,再発したり慢性化したりすることのある精神疾患である。そのため,患者本人やその家族の苦しみは大きく,社会的にも大きな問題となってきており,早期発見や早期介入,症状が改善した後の社会復帰の仕組みが徐々に整えられつつある。
 その中で,本書では中間領域である「治療そのもの」の改善を目指し,うつ病・抑うつ症状についての最新のデータ,理解の仕方,多面的な治療法,そしてそれらを補う「臨床的知見」や治療のこつについて詳しく述べる。単に教科書的な知識を並べるのではなく,第一線で活躍されている臨床家の方々の,日々,現場で工夫されていることが記述の中心となっている。
 日常臨床でうつ病の治療に難渋したときに役に立つコンパクトなハンドブックである。

おもな目次

序文

第Ⅰ部 総論

    1 うつ病/大野裕
    2 双極性障害/加藤忠史

第Ⅱ部 うつ病各論

    第1章 ライフサイクルとうつ
      1 子ども・思春期のうつ/傳田健三
      2 女性のうつ/花岡寿美
      3 産後うつ病/花岡寿美
      4 働き盛りのうつ/武田龍太郎
      5 老年期のうつ/長谷川典子・山本泰司・前田潔
    第2章 精神・身体疾患とうつ
      1 統合失調症と抑うつ/今忠・原田誠一
      2 パニック障害とうつ/貝谷久宣
      3 社会不安障害とうつ/山田和夫
      4 PTSDとうつ/飛鳥井望
      5 強迫性障害(OCD)とうつ/松永寿人
      6 摂食障害とうつ/切池信夫
      7 アルコール・薬物依存とうつ/井上和臣
      8 境界性パーソナリティ障害とうつ/林直樹
      9 睡眠障害とうつ病/内山真
      10 身体疾患とうつ/徳倉達也・木村宏之・尾崎紀夫
    □コラム
      非専門医がうつ病を治療するときの注意/宮岡等・大石智
      うつ病治療の経済学/佐渡充洋

第Ⅲ部 治療論

    第1章 うつ病の身体療法
      1 薬物療法総論/中山和彦
      2 うつ病治療における抗うつ薬の選択/中川敦夫
      3 薬物療法の効果と限界/辻敬一郎・田島治
      4 電気けいれん療法/高野晴成
      5 高照度光療法/永山治男
    第2章 うつ病の精神療法
      1 心理教育と家族援助/下寺信次
      2 認知行動療法(個人)/藤澤大介
      3 認知行動療法(集団)/中島聡美・田島美幸・岡田佳詠・秋山剛
      4 認知行動分析システム療法(CBASP)/中野有美・古川壽壱
      5 行動活性化療法/国里愛彦・岡本泰昌
      6 対人関係療法/水島広子
      7 遷延性うつ病の森田療法/中村敬
    □コラム
      うつ病治療における看護の役割/朴順禮
      うつ病不眠への認知行動療法/渡辺範雄
      コンピュータを用いた認知療法・認知行動療法の可能性/大野裕
      運動療法/寺尾岳・山下瞳・溝上義則

第Ⅳ部 社会とうつ病

    第1章 職域とうつ
      1 過労と職場のうつ/黒木宜夫
      2 職場外の機関における復職支援/五十嵐良雄・三上京子・佐藤尚美・福島南
      3 企業外機関における復職支援プログラム/田島美幸・岡崎渉
    第2章 地域とうつ
      1 地域におけるうつ病対策/大塚耕太郎・酒井明夫
      2 救急外来におけるうつ病対策/河西千秋
    □コラム
      精神科医と非専門医との連携/渡辺洋一郎
      付録 うつ病チェック