ロバート・E・リー,クレッグ・A・エベレット著
福山和女,石井千賀子監訳/日本家族研究・家族療法学会評議員会訳

家族療法のスーパーヴィジョン
統合的モデル

A5判 280頁 定価(本体3,800円+税) 2011年6月刊


ISBN978-4-7724-1193-6

 本書は家族療法のスーパーヴィジョンの入門書である。
 近年、心理臨床家へのニーズが高まり,臨床教育者の質的向上,バージョンアップが求められている。著者であるRobert E. LeeとCraig A. Everettの二人は30年にわたって夫婦家族療法家を教育し,AAMFT(American Association for Marriage and Family Therapy:米国夫婦家族療法学会)の要網にもとづいて,開業クリニック,行政の機関,大学院の授業,ワークショップなどいろいろな訓練の場でスーパーヴィジョンを実施してきた。
 その二人が,臨床教育者とスーパーヴァイザーに対して,家族療法スーパーヴィジョンにおける基本的な概念を明確にかつ簡潔に分かりやすく書いた本である。
 これまでの先行研究では,家族療法各学派によるスーパーヴィジョン,すなわちミクロ・レベルの自己評価の効果を目的としたものが多かった。本書では,メゾ・レベルのスーパーヴィジョン学としての基盤を示せるもの,すなわち統合的スーパーヴィジョンを解説している。
 スーパーヴィジョンをはじめるにあたって,家族療法の主要な学派の理念上の仮説理解を深め,自分自身の統合的スーパーヴィジョン・モデルの確立へと導いていく。また,スーパーヴァイザー・セラピスト・クライエントの世代間システムの意味の理解と各関係に見られる問題と評価,スーパーヴィジョンを構造化しスーパーヴィジョンの様式(ライブ・ビデオ,個人・グループ・スーパーヴィジョン)の範囲で実践できること,文化的,倫理的,法的な問題,多世代間(世代間)についてなど,スーパーヴァイザーとして必要な要素が盛り込まれている。

おもな目次

家族療法の次世代に向けて
序文
著者について
第1章 スーパーヴィジョン過程における基本要素―スーパーヴィジョンの基本原則
第2章 実践現場に与える過去と未来のスーパーヴィジョンの歴史的影響についての理解
第3章 スタートを切る―統合的スーパーヴィジョンの基本的指針
第4章 トレーニング・システムの多世代的構造とダイナミックス
第5章 スーパーヴィジョンの発達段階的側面
第6章 スーパーヴィジョンのための主要な理論的リソース
第7章 スーパーヴィジョンの様式―ライブ,ビデオ,音声テープ,ケース・プレゼンテーション
第8章 スーパーヴィジョンの形態―個別スーパーヴィジョンとグループ・スーパーヴィジョン
第9章 スーパーヴィジョンにおける文化とコンテクストに関する課題
第10章 スーパーヴィジョンにおける効果的な実践.―トレーニング・システムの構成員の視点から
第11章 スーパーヴィジョン・プロセスを妨げる問題の取り扱い方
第12章 スーパーヴァイザーの責任と管理的側面のツール
第13章 スーパーヴィジョンにおけるあなた独自のモデルを明確にすること
第14章 統合的スーパーヴィジョンの実際
第15章 私たちの旅路の第一段階を終えるにあたって
訳者一覧
文献
あとがき