小森康永,ハーベイ・M・チョチノフ著

ディグニティセラピーのすすめ
大切な人に手紙を書こう

四六判 176頁 定価(本体2,800円+税) 2011年5月刊


ISBN978-4-7724-1197-4

 終末期を迎えた患者に伴う実存的苦痛や苦悩を和らげることを意図した,非薬理学的介入はほとんどない。そこで,終末期がん患者のQOL維持には「尊厳:dignity」の維持が有効である,との主張から,カナダ・マニトバ大学のチョチノフ博士によりつくられた短期精神療法的アプローチが「ディグニティセラピー」である。
 ディグニティセラピーは,「あなたの人生において,特に記憶に残っていることや最も大切だと考えていることは,どんなことでしょう?」からはじまる9つの質問からなる。死期に近づいた人々が,これらの質問に答えることで,これまでの人生を振り返り,自分にとって最も大切になったこと,周りの人びとに一番憶えておいてほしいことについて話す機会を提供する。
 本書は,その創始者であるチョチノフ博士による研究論文,そして精神科医・小森康永による日本ではじめての実践例を紹介する。さらに実施に当ってのQ&Aも収録し,緩和ケア提供者の終末期患者に対する援助への大きな参考となるであろう。

おもな目次

はじめに
序 章
第一部 カナダでのディグニティセラピー
第一章 尊厳と、見る人の眼
第二章 尊厳を守るケア―緩和ケアのための新しいモデル
第三章 ディグニティセラピー―終末期患者に対する新しい精神療法的介入
第二部 日本でのディグニティセラピー
第四章 クリスチャンになってよかったなあって感じ―五九歳女性、肺がん
第五章 地域での役割をこなすのはB家の役割でした―六九歳女性、子宮体がん
第六章 家族は犬猫ひっくるめて―五九歳女性、肺がん
第七章 終戦後,広島の地面の上に何もない恐ろしさ―七六歳男性、悪性リンパ腫
第八章 きょうだい衆が帰って来たときは,あんばようしてやらないかんなあと―六三歳女性、悪性リンパ腫
第九章 これが優の知らない私の三七年間です―四四歳女性、乳がん
第一〇章 今になってね、どうしてこんなにうろたえるのか―七二歳男性、食道がん
第一一章 ……あざ―七〇歳女性、胃がん
第一二章 ディグニティセラピー Q&A―小括に代えて
おわりに
付録1 ACC緩和ケアチーム通信No.8
付録2 ディグニティセラピー家族フォローアップ質問