生島 浩,岡本吉生,廣井亮一編著

非行臨床の新潮流
リスク・アセスメントと処遇の実際

A5判 200頁 定価(本体2,800円+税) 2011年6月刊


ISBN978-4-7724-1201-8

 非行少年の「立ち直り」において蓄積されてきた臨床の知と,社会的要請に対する根拠に基づく説明責任の間で,非行臨床は岐路に立たされている。「理解しがたい非行」をアセスメントし位置づけながら,同時にそのレッテルを「ぼかし」,社会の中に少年の居場所を作り出さなければならない。発達障害への配慮が一般化し,法社会化が進行するなか,本書には非行臨床に課せられたこの「モニター」機能と「リハビリテーション」機能の相克への新たな回答が集められている。
 第T部は司法による処遇と臨床的支援のコラボレーションについて,第U部は非行の理解・予測から非行予防までさまざまなレベルのリスク・アセスメントについて,そして第V部では「立ち直り」への根源的な問いから非行臨床のありうべき姿について,複数の立場からの理論と実践が報告される。
 非行臨床の新しいうねりを,読者は本書を通して体感できるであろう。

おもな目次

    はじめに
    第T部 ジャスティス・クライエントへの心理・福祉的アプローチ

      第1章 ジャスティス・クライエントへの「司法臨床」の展開 廣井亮一
      第2章 知的障害のある非行少年への司法と福祉の協働した対応―オーストラリア・ビクトリア州の処遇実践の適用可能性
      第3章 障害のある非行少年の司法手続と処遇について―法的観点から
      第4章 矯正施設における知的障害者の処遇

    第U部 精神/発達障害と非行・犯罪臨床におけるリスク・アセスメント

      第1章 非行リスクとしての障害と関連問題
      第2章 学校における問題行動への対処と非行予防
      第3章 触法・低年齢少年の非行の特徴―事例のメタ分析によるケースフォーミュレーションのモデル化
      第4章 非行少年の当事者モデルによるアセスメント

    第V部 非行臨床の新潮流

      第1章 非行臨床モデルの意義と課題
      第2章 非行からの離脱とは何か―離脱にいたる心理プロセスモデルの提案
      第3章 矯正教育の新潮流
      第4章 非行少年の地域生活支援に向けて―沼田町就業支援センターにおける保護観察処遇

    あとがき
    索引