家族・夫婦臨床の実践

中村伸一著

A5判 280頁 定価(本体3,800円+税) 2011年7月刊


ISBN978-4-7724-1210-0

 家族療法は,家族関係に変化をもたらすことでクライアントの症状や問題行動を軽減もしくは消去することを志向する。システミックに事象をとらえ,すこぶる使い勝手のよいアプローチである。
 本書は,一貫して家族・夫婦臨床の現場に携わってきた著者の集大成ともいうべき技法指導書である。思春期・境界例の事例を交えて,初回面接と見立て,ロールシャッハ・テストを用いたアセスメント,など日常臨床における治療のコツを詳しく解説している。さらに特筆すべきは,夫婦面接の事例を数多く取り上げ,ジェノグラムやロールシャッハ・フィードバック・セッション(RFBS)を駆使しての治療的取り組みを詳細に論じていることである。家族・夫婦療法面接を現場で実践するための優れた解説書である。

おもな目次

Ⅰ 私と家族療法

    家族療法――私の場合
    家族療法の変遷と課題
    心理療法における家族療法の視点

Ⅱ 「家」の思想をめぐって

    「家」の思想をめぐって

Ⅲ 見立てと介入

    家族療法以前――客・商人・商品
    患者の両親関係を見立て介入する

Ⅳ 思春期・青年期

家族療法家からみた思春期・青年期
    思春期青年期と家族療法――青年による最後の夫婦介入
    摂食障害をもつ家族への接し方と家族介入
    強迫行為をいかす
    子どもの非行活動を心配する母親と家族
    不登校の家族療法――ジェノグラム・プレイバック法
    不登校・ひきこもりのアセスメントと介入計画――家族との協同治療

Ⅴ 境界例

    外来クリニックでの境界例治療の実践
    青年期境界例の家族療法――その導入の一例

Ⅵ ジェンダー

    思春期青年期の臨床における父親と父親像
    やわらかな男性への提言
    ジェンダー・センシティブなセックスセラピー

Ⅶ 夫婦間暴力

    夫婦間暴力に対する夫婦療法の適用について――アジア女性基金研究会報告書から
    夫婦間暴力へのアプローチ

Ⅷ うつ病への夫婦療法

    うつ病の見立てと精神療法的取り組み――夫婦療法の立場から
    夫婦療法の中でロールシャッハ・フィードバック・セッションを行った事例

関連書