傳田健三著

子どもの双極性障害
DSM−5への展望

A5判 240頁 定価(本体3,400円+税) 2011年11月刊


ISBN978-4-7724-1220-9

 近年,児童期に発症する双極性障害が以前考えられてきたよりもずっと多く存在することを示す実証的研究が報告されるようになった。
その病像は,成人の双極性障害とは大きく異なり,@うつ症状と躁症状のきわめて急速な交代,Aうつ病相と躁病相が明瞭に区別しにくく,うつ症状と躁症状が混在する多彩な病像,B他の精神障害,特にADHD,反抗挑戦性障害,素行障害などと併存しやすい,という臨床的特徴をもつ。
 ただし,このような子どもの双極性障害は,DSM-W-TRにおける双極T・U型障害の診断基準を満たさないため,特定不能の双極性障害という診断名になり,診断基準も研究者によってさまざまなのが現状である。そのために子どもの双極性障害の過剰診断が問題になってきたのである。
 そのような中,2010年2月にDSM-5ドラフトの発表がなされ,子どもの双極性障害にとっては大きな変化があった。
本書では,子どもの双極性障害がどのような病気であるかを説明し,症例から治療と対応について解説し,DSM-5ドラフトを検討しつつ,今後の診断基準について展望する。
 付録には,DSM-5ドラフトの翻訳と著者による解説を付した。
 本書は,日本における子どもの双極性障害のハンドブックとなるであろう。

おもな目次

序論
第Ⅰ部 子どもの双極性障害とはどのような病気なのか

    第1章 子どもの双極性障害の概念と歴史
    第2章 子どもの双極性障害の疫学
    第3章 成人の双極性障害の診断基準
    第4章 子どもの双極性障害の臨床的特徴
    第5章 子どもの双極性障害の診断基準

第Ⅱ部 症例呈示

    第6章 症例呈示

第Ⅲ部 治療

    第7章 子どもの双極性障害の治療

第Ⅳ部 子どもの双極性障害の本態は何か

    第8章 子どもの双極性障害の生物学的病態研究
    第9章 子どもの双極性障害は大人へ移行していくのか

第Ⅴ部 DSM-5への展望

    第10章 DSM-5のドラフト
    第11章 子どもの双極性障害のどのように対応していくか

付録 DSM-5ドラフトの診断分類
あとがき