リチャード・フィッシュ,ウェンデル・A・レイ,カリーン・シュランガー著/小森康永監訳

解決が問題である
MRIブリーフセラピー・センターセレクション

四六判 352頁 定価(本体4,800円+税) 2011年11月刊


ISBN978-4-7724-1226-1

 「ブリーフセラピー」はここからはじまった。
 60年代カリフォルニア,パロアルト。精神分析全盛の時代,リチャード・フィッシュ,ポール・ワツラウィック,ジョン・ウィークランドのMRI(Mental Research Institute)は,これまでとまったく異なる原理にもとづく「セラピー」を開発する。
 G・ベイトソン,M・H・エリクソン,そして家族療法の影響のもと,深層心理や個人の認知ではなく,あくまで具体的なコミュニケーションの観察をリソースとして,個人的精神病理志向からの脱却を宣言。〈「問題」概念を問題化する〉(D・エプストン)ことを原則とし,「問題」(とされているもの)の「解決」よりも,その不適切な「解決努力」を放棄させることで問題を「解消」する。
 セラピーに革命をもたらし,その後のコミュニケーション研究全域に大きな影響をおよぼすことになるその非規範的な実践に,臨床人類学者ジョン・ウィークランドの文献を中心にせまるMRIベストセレクション。

おもな目次

謝辞
序 リチャード・フィッシュ
「次から次へ」再来●ウェンデル・レイ/カリーン・シュランガー
1 家族療法家らしくない人々について●R・フィッシュ/P・ワツラウィック/J・ウィークランド/A・ボーディン
2 ブリーフセラピー 問題焦点解決●ジョン・H・ウィークランド/リチャード・フィッシュ/ポール・ワツラヴィック/アーサー・M・ボーディン
3 コミュニケーション理論と臨床的変化●ジョン・H・ウィークランド
4 「家身症」等閑視された特質●ジョン・H・ウィークランド
5 ダブルバインド理論 児童精神医学における最新の適用●ジョン・H・ウィークランド
6 個人との「家族療法」●ジョン・H・ウィークランド
7 アルコール依存症のブリーフセラピー●リチャード・フィッシュ
8 「わけがわからない」ケース 医療における短期戦略的治療●ジョン・ウィークランド/リチャード・フィッシュ
9 短期療法にまつわる神話/短期療法神話●ジョン・ウィークランド
10 ブリーフセラピーの基本的要素●リチャード・フィッシュ
11 「汝自身が誠実であるために……」―戦略的セラピーにおける倫理的問題●リチャード・フィッシュ
12 ブリーフセラピー―MRIスタイル●ジョン・H・ウィークランド/リチャード・フィッシュ
補遺『変化の文化人類学』への序―ジョン・ウィークランドへのインタビュー●ウェンデル・A・レイ/カリーン・シュランガー
監訳者あとがき
編者について