瀧井正人著

糖尿病の心療内科的アプローチ

A5判 320頁 定価(本体4,800円+税) 2011年12月刊


ISBN978-4-7724-1230-8

 糖尿病は心理的負担が大きい病気であり,うつ病などの精神疾患を併発しやすいことも知られている。とくに,若い年代に発症することの多い1型糖尿病の女性患者では摂食障害を併発することがあり,その治療はたいへん難しいとされる。本書では,糖尿病とうまく付き合えない患者さんの治療に,20年にわたり取り組んできた著者の,九州大学病院心療内科における臨床の軌跡を紹介する。
 「T総論」では,糖尿病の心理面についての基本的な考え方を解説。つづく「U 治療経過」で,それぞれ解決困難な心理的問題を抱えた4人の糖尿病患者さんの治療経過を詳しく紹介する。そして「V 心理的援助のポイントとQ&A」では,糖尿病臨床現場で働く医療者に役立つよう,外来カウンセリングの実例と要点を示す。さらに,現場の若い医師や看護師との質疑応答を通して,臨床のポイントを述べる。

おもな目次

推薦の辞 松木邦裕(京都大学)
序文 内潟安子(東京女子医科大学糖尿病センター)
Ⅰ 総論

    第1章 糖尿病患者さんの思い
    第2章 私が糖尿病患者さんのこころの問題に惹かれたわけ
    第3章 心理面から見ると,糖尿病はどのような病気なのか
    第4章 糖尿病患者さんへの教育・心理的援助―患者と医療者とはどうかかわってきたか
    第5章 糖尿病はどのようにしてつらい体験になっていくのか―予防と対策
    第6章 糖尿病に併存する精神疾患
    第7章 1型糖尿病への摂食障害の併発

Ⅱ 治療経過

    第8章 自己管理の負担からうつ病を発症した1型糖尿病の一例
    第9章 摂食障害を併発した1型糖尿病の一例―痩せれば糖尿病になる以前の自分に戻る事ができるという信念
    第10章 「心因性嘔吐」を併発し糖尿病ケトアシドーシスを繰り返した1型糖尿病の一例―失われた家族機能の修復
    第11章 うつ病と診断されていた2型糖尿病の一例―糖尿病と向き合うことが難しいパーソナリティ

Ⅲ 心理的援助のポイントとQ&A

    第12章 糖尿病とうまく付き合えない患者さんに対する,当科の外来カウンセリング―一般糖尿病臨床現場でも利用できる心理的援助の要点
    第13章 Q&A1―心療内科病棟1年目の看護師の「つぶやき」
    第14章 Q&A2―糖尿病専門施設の若い医師が抱いた疑問

あとがき

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