R・D・ホッジ,D・A・アンドリュース著/菅野哲也訳

非行・犯罪少年のアセスメント
問題点と方法論

A5判 184頁 定価(本体3,200円+税) 2012年2月刊


ISBN978-4-7724-1235-3

 マスコミでは少年犯罪の低年齢化や凶悪化がさかんに取り上げられ,科学的な根拠がないまま少年犯罪の厳罰化を求める雰囲気が作られつつある。
 本書では,最近の少年司法領域の理論を分かりやすく解説し,新しい標準化心理検査法を紹介しながら,少年司法制度の効果的な運営のために標準化心理検査を活用すべき点について説明されている。
 適正なアセスメントを経て非行や犯罪の原因,環境や家庭の問題,あるいは少年像を解明していくことは,少年事件に関与するさまざまな機関が効果的に対象少年の問題に対処していくことを助けることになる。
 少年司法手続における標準化検査の役割や可能性について学ぶために最適なテキストが訳出された。

おもな目次

はじめに

序文
第1章 理論的背景

    1 少年司法モデル
      1−1 児童福祉モデル
      1−2 共同体モデル
      1−3 修正司法モデル
      1−4 司法モデル
      1−5 犯罪抑制モデル
      1−6 司法制度の目的
    2 少年非行理論
    3 最近の心理学的犯罪論

第2章 少年司法制度における決定プロセス

    1 司法手続きにおける判断
      1−1 警察による捜査手続段階
      1−2 インテーク/判決前手続段階
      1−3 裁判決定
      1−4 処分/措置内容の決定段階
    2 少年の資質あるいは環境に関する鑑別・捜査
      2−1 犯罪レベル
      2−2 処分の軽重に関連する要素
      2−3 精神状態や成熟度
      2−4 リスクレベル
      2−5 ニーズ
      2−6 反応性
    3 判断形成プロセス

第3章 少年司法手続における心理検査の役割

    1 主要な心理検査および調査手法
    2 司法手続で用いる検査類の評価法
      2−1 専門的な評価基準
      2−2 評価法に関する専門用語
    3 標準化された心理検査を用いる利点
    4 心理検査の弱点
    5 本書における心理検査の紹介

第4章 能力適性と学力レベルのアセスメント

    1 能力適性検査
      1−1 一般的知能検査
      1−2 特殊な能力適性に関する検査
      1−3 神経心理学的検査
      1−4 職業適性検査および進路適性検査
    2 学力検査
    3 少年司法手続において知能検査,適性検査および学力検査を活用することについて

第5章 性格,態度および行動面のアセスメント

    1 性格検査
    2 行動検査
      2−1 対人関係面,行動面,情緒面に関する検査
      2−2 反社会傾向や自己破壊行動傾向に関する検査
      2−3 適応能力に関する検査
    3 面接調査法
    4 その他のタイプの性格・行動検査
    5 態度,価値観および信条に関する検査
    6 少年司法制度における性格,行動および態度検査の役割

第6章 環境要因のアセスメント

    1 家族機能と養育方法に関する調査・鑑別方法
    2 学校での活動や適応力に関する検査
    3 交友関係に関する検査
    4 矯正処遇環境に関する調査
    5 少年司法制度における生活環境調査の役割

第7章 総合診断および分類システム

    1 性格を基準にした診断システム
      1−1 Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition (DSM-IV)
      1−2 The Minnesota Multiphasic Personality Inventory (MMPI)
      1−3 The Interpersonal Maturity Level Classification System (I-Level)
      1−4 The Conceptual Level Matching Model (CLMM)
    2 行動傾向を基準にした診断システム
    3 犯罪行動を基準にしたリスク診断システム
    4 多方面の要因を検討して再犯リスクとニーズを診断するシステム
      4−1 The Wisconsin Juvenile Probation and Aftercare Assessment Form
      4−2 The Arizona Juvenile Risk Assessment Form
      4−3 The Firsetting Risk Interview
      4−4 The Psychopathy Checklist-Revised (PCL-R)
      4−5 The Youth Level of Service/Case Management Inventory (YLS/CMI)
    5 その他の診断用検査
    6 少年司法制度における診断および分類システムの役割
      6−1 性格および行動傾向を基に作成された診断・分類システム
      6−2 犯罪歴を基に犯罪等の危険性を予測する診断システム
      6−3 広汎な領域に基づくリスク診断システムとリスク・ニーズ診断システム

第8章 まとめ

    1 心理検査の肯定的側面
      1−1 道具としての効用
      1−2 一貫性
      1−3 明解な構成概念
      1−4 心理学研究の飛躍的な発展と司法心理への影響
      1−5 評価方法
      1−6 司法制度の有効性
    2 実務家への提言
      2−1 専門性の役割
      2−2 テストや検査の選択
    3 心理検査で今後研究が必要な分野
      3−1 非行・犯罪の心理機制
      3−2 構成概念
      3−3 検査の開発
    4 まとめ

付録1 本書で紹介した検査や調査法
付録2 主な検査の出版元と住所
文献
訳者あとがき