武井麻子著

グループと精神科看護

A5判 272頁 定価(本体3,400円+税) 2012年3月刊


ISBN978-4-7724-1245-2

 ひとを相手とする仕事はなぜ疲れるのか? 今や職場の人間関係においても「グループの力」を理解し良好な人間関係を築くことが不可欠である。
 本書は,著者の精神科病院で看護師,ソーシャルワーカーとして勤務した経験をもとに,グループワークの技法,精神科看護の仕事についての実践的な論考を集めたものである。看護師,介護福祉士,ケースワーカーの仕事とは何か?を実践現場からの帰納的考察によって実体験を交えてわかりやすく解説されている。さらに,ホックシールドが提唱した『感情労働(Emotional Labour)』の理論と実際についても事例を挙げながら論及し,現代社会で働く人々が避けて通れない感情のコントロールと対人関係スキルの向上にふれる等,グループと精神科看護をめぐる多岐にわたった内容となっている。

おもな目次

第1部 グループの力

    第1章 グループで語ることの意味
    第2章 治療共同体としての精神科病院
    第3章 看護とグループ
    第4章 地域患者会における集団過程について
    第5章 青年期精神科病棟入院患者の小グループ活動の試み
    第6章 患者による8mm映画づくりの試み
    第7章 小集団における「甘え」について
    エッセイ:生き生きとした感情を忘れないために/新棟ブームと治療環境

第2部 精神科看護の仕事

    第1章 看護の仕事について考える
    第2章 個人史としての精神科看護
    第3章 看護師と集団
    第4章 医療福祉の場の暴力―暴力をめぐるさまざまな問題を考える
    第5章 激しい拒絶を示す患者の看護に関する一考察
    第6章 看護と「甘え」―土居健郎との共同講義
    第7章 看護教育における「甘え」との出会い―土居健郎先生に託されたもの
    第8章 「甘え」と集団
    第9章 緩和ケアと感情労働
    第10章 実習指導のキーポイント―教員は学生のサポーター
    エッセイ:介護職に育てられた私

第3部 感情労働とケア

    第1章 感情労働と現代社会
    第2章 感情労働と看護
    第3章 人とのかかわりを職業とすることの意味
    第4章 感情労働としての精神科看護―治療的なかかわりをつくるために
    エッセイ:患者を真に気にかける姿勢とは/女としての人生を考えるとき/夢かうつつか,去っていった人を思うとき/これからどこに歩いていこうか

あとがき