カタナ・ブラウン編/坂本明子監訳

リカバリー
希望をもたらすエンパワーメントモデル

A5判 240頁 定価(本体3,000円+税) 2012年6月刊


ISBN978-4-7724-1255-1

 精神疾患からの「リカバリー」とは,疾患を経験する前の状態に戻ることではなく,苦痛を経て、それでも夢や希望を携え、人生の舵をとる新たな自分に変化することである。
 本書は,精神障害者の当事者運動のなかで発生し,今や世界中の精神医療福祉政策にインパクトをあたえ続けている「リカバリー」の概念について,パトリシア・ディーガン,メアリー・エレン・コープランドら先駆者の議論や,ストレングスモデルで名高いカンザス大学の作業療法士(OT)たちの実践を集めた論集である。
 「第1部 リカバリー・ストーリー」では,リカバリーにおいて特に重要な位置を占める「当事者自身の経験」が紹介され,「第2部 リカバリーへの哲学的視点」ではリカバリーの理念を思想史的な文脈から再考する。
 そして「第3部 リカバリー原則に基づいた実践と研究」では,当事者自身のリカバリーに伴走するための支援・研究技術が紹介される。

おもな目次

PART 1 リカバリー・ストーリー

    第1章 自分で決める回復と変化の過程としてのリカバリー パトリシア・E・ディーガン
    第2章 ユニークなまなざしとチャンスの数々―ピアスタッフの視点から シェリー・ブレッドソー
    第3章 虹が語り,太陽をつかむ場所―本当の私の色を見つけだす シュゼット(スーザン)・マーク

PART 2 リカバリーへの哲学的視点

    第4章 人生の経験は病ではない―狂気を医療の対象とすることがなぜリカバリーを妨げるのか ユーリ・マクグルーダー
    第5章 教育アプローチと作業療法における心理教育 ルネ・パディラ

PART 3 リカバリー原則に基づいた実践と研究

    第6章 地域精神保健領域におけるリカバリーと作業療法 ジェイソン・L・ウォーレンバーグ
    第7章 何が私にとって最良の環境か?―感覚処理の視点 カタナ・ブラウン
    第8章 WRAP元気回復行動プラン―不快でつらい身体症状と感情をモニターし,やわらげ,取り除く仕組み メアリー・エレン・コープランド
    第9章 参加型アクションリサーチ―精神保健領域の研究者と精神障害を有する人との間のパートナーシップを構築するモデル メリッサ・レンプファー/ジル・ノット

監訳者あとがき