田中康雄編著

児童生活臨床と社会的養護
児童自立支援施設で生活するということ

四六判 280頁 定価(本体2,800円+税) 2012年8月刊


ISBN978-4-7724-1262-2

誰もひとりでは生きられない。

 かつて原家族の私的・経済的事情さらには実親の死去などにより子どもの養育を代行してきた「社会的養護」は、児童虐待、DV被害、心身障害の支援へとその定義が拡大している。そして社会的養護児童への支援を担う児童自立支援施設もまた、非行少年更生という当初の役割を広げて、心理的支援や経済的支援にとどまらず、子どもの生活そのものを支え、「学びなおし」と「育ちなおし」に寄り添う「児童生活臨床」を支援の要とするに至っている。
 人の育ちという終わりなき刻のなかで、子どもたちと共に生活に留まり、生活と対峙し、生活から護られること。生活の力を知る実践家たちの言葉、石原登の「情性教育」、青木延春の「児童とともにある精神(withの精神)」、そしてブルーノ・ベッテルハイムの「生活環境重点型の情緒障害児治療教育」を導きの糸に、精神医学、心理臨床、児童福祉など複数の視点から見えてきた児童自立支援施設の現状を実践的課題として検証する。

生き存えた子どもたちの「生活」を今ふたたび支えるため、多職種連携の名の下に集った対人援助者に求められる条件を問う。

おもな目次

はじめに 児童自立支援施設に足を踏み入れて 田中康雄
第1章 児童自立支援施設の現状と課題 相澤 仁
第2章 生活臨床の実践 橋本和明
第3章 児童自立支援施設の生活から見える子どもの変化と職員の変化 富田 拓
第4章 医師の立場から児童自立支援施設の生活を考える 青島多津子
第5章 児童養護施設での経験から生活を考える 国分美希
第6章 自立援助ホームでの実践を通して生活を考える 高橋一正
第7章 「生活を考える」から「生活が支える」へ 田中康雄
第8章 心理的支援と「生活」 村瀬嘉代子
オピニオン:川俣智路/久蔵孝幸/松嶋秀明/松浦直巳/飯田昭人/荒井紫織/高橋一正/富田 拓
あとがき 共に学びあうこと 橋本和明