モー・イー・リー,ジョン・シーボルド,エイドリアナ・ウーケン著/玉真慎子,住谷祐子訳

DV加害者が変わる
解決志向グループセラピー実践マニュアル

A5判 288頁 定価(本体4,200円+税) 2012年9月刊 


ISBN978-4-7724-1267-4

 親密な関係における暴力=DV加害者の治療・処遇はこれまで,加害の事実を反省させ,暴力の構造を教育し,衝動的な行動を抑制するプログラムが主流を成していた。しかし,動機づけが乏しい状態で法的な裁定を反復するこのようなプログラムは脱落者が多く,加害者の防衛的な態度を強化してしまうこともあった。
 暴力を繰り返してしまう人に対して,治療者は暴力問題の理解と反省にこだわるよりも,むしろ前向きの変化の種を蒔きつづける必要がある。裁判所ではない臨床家が取り組むべきは,何かを禁ずるのではなく,加害者が暴力とは別の意義ある何かを目標として設定するのを助け,支援することである。
 本書は,解決志向グループワークによる新しいDV加害者処遇プログラム(プルマス・プロジェクト)の詳細なマニュアルである。3カ月8回のグループセッションで,暴力問題に深入りせず「長所に志向し解決を構築する」ために,グループ・ファシリテーターに必要とされる知識・心構えと介入技術を,順を追った解説と豊富な逐語事例を通して身につけることができる。この方法はアメリカで高いプログラムの完了率と再犯防止効果を実証し,加害者臨床に一石を投じている。
 治療プログラムにおいては,加害者には加害の責任ではなく,「変化への責任」をこそ担ってもらうべきなのだ。目指される「解決」とは,暴力が不要な新たな人生である。そしてそれこそが被害者の安全に貢献することになるのである。

おもな目次

1 序論―解決についての説明責任
2 解決志向アセスメント面接
3 グループ・ルール,宿題,チーム・アプローチの活用
4 役に立つゴールを作る
5 ゴールを活用して変化を促す
6 変化を確実にする―「成功の言語」
7 グループ過程を活用する―「分かち合いの言語」
8 有効な仮説と手段
9 特定のグループとの共働作業
10 治療プログラムの評価
11 おわりに
付録

    i ドメスティック・バイオレンスの理論的視点
    ii 宿題
    iii グループのルール