高石 昇,大谷 彰著

現代催眠原論
臨床・理論・検証

A5判 400頁 定価(本体6,800円+税) 2012年11月刊


ISBN978-4-7724-1277-3

 かつて人知を遙か超えた魔術的思考として永く夜の闇へと放擲されてきた催眠は、その治療術としての真価をミルトン・エリクソンの名とともに復権する。この栄光の時代を経由して、催眠は今日さらにその臨床的価値と評価を高めつつあるが、しかし同時にその秘儀的来歴から「学知(discipline)」としての体系化を未だ果たせずにいる。この未完のプロジェクトを引き受け、催眠の歴史的考察から臨床的考察へと論点を横断し、かつて誰にも為されることのなかった催眠の原理論を樹立しようとする試論――この言葉こそ本書の定義にふさわしい。現代催眠の父としてのミルトン・エリクソンを継承し、コミュニケーション技法としての催眠誘導技法、観念誘導技法、催眠感受性への細密な考察を施し、今日的水準に適うエビデンスとエチカを構築する。現代臨床催眠の極地点へと迫る徴をその記述に残し、催眠の夜の闇を超えようとする本書は、したがって現代催眠学の到達点を標す水先案内、そのためのマイルストーンである。

おもな目次

本書を出版するにあたって

第1部 催眠

    第1章 催眠の定義
    第2章 催眠の本質
    第3章 歴史的変遷
    第4章 催眠理論I―状態論
    第5章 催眠理論II―非状態論
    第6章 催眠理論III―エリクソン理論
    第7章 催眠感受性

第2部 催眠誘導の原則と技法

    第1章 催眠誘導の原則と技法(1)
    第2章 催眠誘導の原則と技法(2)
    第3章 催眠誘導の原則と技法(3)
    第4章 自己催眠
    第5章 覚醒状態催眠(Alert Hypnosis)

第3部 臨床催眠

    第1章 臨床催眠
    第2章 催眠を主体とする療法
      第2章第1節 症状除去法(symptom removal)
      第2章第2節 自我強化法(Ego-Strengthening Method)
      第2章第3節 催眠現象利用法
      第2章第4節 催眠情動調整法
      第2章第5節 方略的指示療法
    第3章 催眠促進による心理療法
      第3章第1節 催眠投影技法(hypno-projective therapies)
      第3章第2節 催眠精神分析療法(Hypnoanalysis)
      第3章第3節 自我状態療法(Ego state therapy)
      第3章第4節 催眠認知行動療法
    第4章 臨床催眠適用の実際
      第4章第1節 不安障害
      第4章第2節 外傷後ストレス障害と解離性障害
      第4章第3節 うつ病性障害
      第4章第4節 物質関連障害
      第4章第5節 性機能不全
      第4章第6節 心身症・身体疾患・疼痛管理
    第5章 臨床催眠の効果―エビデンスの観点から
    第6章 臨床催眠の危険性と倫理

あとがき