ドナルド・メルツァー著/古賀靖彦,松木邦裕監訳

こころの性愛状態

四六判 372頁 定価(本体4,800円+税) 2012年月刊


ISBN978-4-7724-1278-0

「個人的には私は、本書『こころの性愛状態』がメルツァーの代表作と考えています。少なくとも私がもっとも好む彼の著作です。私に言わせれば、精神分析の源流に直結する著作なのです。フロイトがその晩年においても自身の代表作のひとつと公言した「性欲論三篇」を、クライン、ビオンの業績に立脚しながらみごとに深化させた、精神分析の臨床体系に不可欠な著作と私は位置づけています」(松木邦裕「監訳者まえがき」より)

 フロイトのエロス論を継承する精神分析的性愛論。クラインとビオンを中継しながらフロイトの「性欲論三篇」を深化させ、人間の本質としての「性愛(sexuality)」に迫った、『精神分析過程』に次ぐドナルド・メルツァー第二主著。フロイトの名とともに精神分析創成期に懐胎された性欲動論・リビドー論を再解釈し、人間の発達過程における精神−性愛の強度を思考する、クライン派精神分析の極北。

おもな目次

監訳者まえがき(松木邦裕)
凡例
謝辞
序文
第1部 歴史

    セクションA 精神−性発達の理論
      第1章 精神分析の方法と理論 第2章 幼少期の性愛とエディプス・コンプレックス
      第3章 発達の時期と組織化の系列
      第4章 「苦痛−と−怖れ」から「愛−と−苦痛」へ
    セクションB 性の精神病理に関するフロイトの理論
      第5章 ナルシシズムの臨床的現象学
      第6章 倒錯への臨床的アプローチ

第2部 性理論の構造的改訂

    セクションA 精神−性発達
      第7章 青年期の同一化と社会化
      第8章 青年期からの浮上
      第9章 成人の性愛での多形傾向の取り入れ基盤
      第10章 超−自我−理想の起源
    セクションB 性の臨床的精神病理
      第11章 成人の多形性愛
      第12章 乳幼児の多形性愛
      第13章 乳幼児の倒錯的性愛
      第14章 戦慄、迫害、恐怖
      第15章 性倒錯でのフェティシュ的なおもちゃの起源
      第16章 両性愛的と両性性的の区別について
      第17章 労働、遊び、昇華
      第18章 倒錯と嗜癖に関する理論の構造的改訂
      第19章 転移の倒錯

第3部 理論の応用

      第20章 暴政
      第21章 世代間の「永久革命」
      第22章 構造的精神−性理論の教育への影響
      第23章 未生児についての心的現実
      第24章 ポルノグラフィの制作術

監訳者あとがき(古賀靖彦)
付録−中心概念の索引
文献