アーネスト・R・ヒルガード著/児玉憲典訳

ヒルガード 分割された意識
〈隠れた観察者〉と新解離説

A5版 460頁 定価(本体7,400円+税) 2013年2月刊 


ISBN978-4-7724-1285-8

 本書は,大著『ヒルガードの心理学』で高名な著者による,解離説についての代表的著作であり,欧米ではヒルガードの研究の精髄と評されたものである。
 解離性障害の現象形態には,憑依状態,遁走,健忘,夢遊症,多重人格,ヒステリーなど多様なものがあり,近年特に米国において,多重人格(解離性同一性障害)の症例が夥しく報告されている。実験心理学の泰斗ヒルガードは催眠を切り口にして解離現象に取り組み,わが国ではほとんど知られていない「隠れた観察者」現象を明らかにした。その上で,ウィリアム・ジェームズ,ジャネ,フロイトから今日の認知心理学に至る心理学のさまざまな流れを俯瞰し,ジャネの解離説に対して新解離説を唱えた。思考と行動の多重制御に関するそのエビデンス・ベイストな考察は,臨床家,理論家を問わず,人間の心に関心を有するすべての人たちに新たな見方を迫るものである。

おもな目次

    増補版への序

    第一章 分割された意識と解離概念
    第二章 憑依状態,遁走,多重人格
    第三章 催眠性年齢退行
    第四章 健忘と抑圧
    第五章 夢,幻覚,想像
    第六章 筋肉運動の随意的制御と不随意的制御
    第七章 自動書記と分割された注意
    第八章 催眠にかかる人と催眠経験
    第九章 催眠下の分割された意識――〈隠れた観察者〉
    第十章 催眠にかかった人は隠れた観察者をどのように認識し,解釈するか
    第十一章 分割された意識に関する新解離説
    第十二章 より広い領域での新解離
    付録 催眠反応性の測定
    補遺:隠れた観察者現象/経験していない術後疼痛の取り戻し/催眠性無痛の代替説/自我状態と多重人格/解離と認知心理学
    訳者あとがき

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