ロバート・P・レイサー,ラリー・W・トンプソン著/貝谷久宣,久保木富房,丹野義彦監修/岡本泰昌監訳

エビデンス・ベイスト心理療法シリーズ1
双極性障害

B5判 120頁 定価(本体2,400円+税) 2011年8月刊


ISBN978-4-7724-1301-5

 これまでに行われた長期経過に関する調査から,双極性障害は,再発の危険性が高いこと,難治例が少なくないこと,社会生活機能が大きく障害されること,自殺完遂率が高いことなどがわかっている。したがって,双極性障害の治療は,急性期だけでなく維持療法期も含めた長期的視点に立った治療選択をする必要がある。
 本書には,治療の中心となる薬物療法を補完するものとして,心理教育,家族療法,認知行動療法,対人関係・社会リズム療法などの心理療法について,具体的な技法の解説や臨床場面での応用法などがまとめられている。

おもな目次

監修者序文 3
序 文 5
謝 辞 6
1 双極性障害とは

    1.1 用 語 11
    1.2 定 義 11
      1.2.1 双極性障害の診断と分類についてその他の考慮すべき点 14
      1.2.2 実際の臨床での意義 14
    1.3 疫 学 15
    1.4 経過ならびに予後 16
    1.5 鑑別診断 18
      1.5.1 双極T型,U型障害と大うつ病の鑑別診断 19
      1.5.2 双極T型障害と双極U型障害の鑑別診断 19
      1.5.3 双極T型障害と精神病性障害(失調感情障害,統合失調症,妄想性障害)の鑑別診断 20
      1.5.4 双極性障害(現エピソード,躁病,もしくは混合型)と 物質誘発性気分障害の鑑別診断 21
      1.5.5 双極T型障害,双極U型障害と 境界性パーソナリティ障害の鑑別診断 21
      1.5.6 双極T型障害,双極U型障害と注意欠陥多動性障害の鑑別診断 22
      1.5.7 双極T型障害,双極U型障害と 反社会性パーソナリティ障害の鑑別診断 22
    1.6 併存症 22
    1.7 診断手順ならびに記録 23
      1.7.1 双極性障害の評価に役立つツール:躁病 23
      1.7.2 双極性障害の評価に役立つツール:うつ病 25
      1.7.3 病歴を十分に聴取すること 25

2 双極性障害の理論とモデル

    2.1 生物学に基づく双極性障害モデル 28
    2.2 一般心理教育ならびに疾患管理戦略 29
    2.3 対人・社会リズム仮説: 社会リズムの乱れが双極性エピソードの引き金になる 31
    2.4 家族ベースの治療アプローチ 32
    2.5 認知行動療法によるアプローチ 32
      2.5.1 双極性障害におけるBascoとRushの認知行動療法 32
      2.5.2 Lamら(1999):前駆症状の特定 33
      2.5.3 双極性障害のその他の認知行動療法 35

3 診断と治療適応

    3.1 適切な治療法を判定するためのディシジョン・ツリー 37
    3.2 治療選択肢 38
      3.2.1 若年成人のための治療選択肢 38
      3.2.2 ハイリスク者のための治療選択肢 38
      3.2.3 躁病/軽躁病のエピソードが反復するものの治療選択肢(4.1.5の「臨床スケッチ」(p.66)参照) 38
      3.2.4 持続性亜症候性うつ病と気分変調症の治療選択肢(4.4.2の「臨床スケッチ」(p.85)参照) 38

4 治 療

    4.1 治療法 39
      4.1.1 双極性障害に対する生物学的治療アプローチ 39
      4.1.2 双極性障害に対する心理療法的アプローチ:概論 41
      4.1.3 治療の全体的な構造と手順 43
      4.1.4 治療の初期段階:オリエンテーションと治療契約 43
      4.1.5 治療の中間段階:スキルを形成する―ツールボックス(道具箱)を一杯にする 50
      4.1.6 治療の最終段階:治療で得たことをどう維持するか 68
    4.2 作用機序 71
      4.2.1 標的を絞った心理教育と疾患管理の戦略 71
      4.2.2 活動と気分をモニタリングする 71
      4.2.3 双極性エピソードを促進する社会的リズムの中断 72
      4.2.4 家族に焦点を当てた治療 73
      4.2.5 認知行動療法アプローチ 73
    4.3 効果と予後 74
    4.4 方法の多様性と複合性 76
      4.4.1 家族療法および家族マネジメント 76
      4.4.2 回復モデルを組み入れた自助アプローチ 82
    4.5 治療を行う上での諸問題 87
      4.5.1 自殺の危険の評価と管理 88
      4.5.2 治療アドヒアランスの改善 91
      4.5.3 物質使用障害を併存する患者の治療 95
    4.6 まとめ 98

5 参考図書 99
6 文 献 101
7 付録:ツールと資料 107

エビデンス・ベイスト心理療法シリーズ

    第3巻 『児童虐待』 C・ウィカール,A・L・ミラー,D・A・ウルフ,C・B・スピンデル著/貝谷久宣,久保木富房,丹野義彦監修/福井 至監訳
    第7巻 『アルコール使用障害』 S・A・メイスト,G・J・コナーズ,R・L・ディアリング著/貝谷久宣,久保木富房,丹野義彦監修/福居顯二,土田英人監訳
    第8巻 『社交不安障害』 M・M・アントニー,K・ロワ著/貝谷久宣,久保木富房,丹野義彦監修/鈴木伸一監訳
    第9巻 『摂食障害』 S・W・トイズ,J・ポリヴィ,P・ヘイ著/貝谷久宣,久保木富房,丹野義彦監修/切池信夫監訳