山中 寛著

ストレスマネジメントと臨床心理学
心的構えと体験に基づくアプローチ

A5判 260頁 定価(本体3,600円+税) 2013年10月刊


ISBN978-4-7724-1335-0

 本書の目的は,ストレスケアと予防という視点から主体的な自己活動に基づくストレスマネジメントの基本原理と臨床心理学的方法について検討し,その効果を明らかにすることである。
 ひとの心理的活動は緊張(感)・心的構え・動作・イメージから成っており,その基底には緊張(感)がある。著者は,長年にわたる基礎研究の成果とスクールカウンセリングやアスリートに対するスポーツカウンセリングの実績から,リラクセーションや臨床動作法を応用したストレスマネジメントの実際と,その効果をわかりやすく解説している。
 児童・生徒の不登校やいじめ問題,中高年のうつや自殺,高齢者の孤独死や虐待,がん体験などストレスマネジメントのニーズは今後も広がっていくと推測される。本書には,被災地の人々にも適用可能な漸進性弛緩法やペア・リラクセーションの技法,子どものためのストレスマネジメント教育モデル,学校で実施する場合の留意点,などさまざまな臨床現場で役立つ多くの知見が網羅されている。

おもな目次

まえがき

第1章 ストレスマネジメント研究の現状と展望

    本研究の方向性
    ストレスへの心理学的アプローチ
    ストレスマネジメント研究の現状
    ストレスマネジメントのパラダイムシフト
    ストレスマネジメント教育とスクールカウンセリング
    本研究の目的

第2章 ストレスマネジメントに関する臨床実践研究

    最適なフォームで走ることができない選手の事例
    あがりを主訴とする投てき選手と短距離選手の事例
    試合でブレーキを起こす長距離選手の事例
    競技選手の心理的問題の分類と特徴
    デリバリー方式による短期集中スポーツカウンセリングの試み

第3章 ストレスマネジメント技法に関する基礎研究

    従来のストレスマネジメント技法の分類と基本原理
    漸進性弛緩法による心理・生理・行動の変容に関する実験研究
    漸進性弛緩法がイメージ体験に及ぼす影響に関する実験研究
    動作における心的構えが自己効力感に及ぼす影響に関する実験研究
    ストレスマネジメント技法適用における理論モデル

第4章 学校におけるストレスマネジメント教育

    子どものストレスの現状とストレスマネジメント
    ストレスマネジメント教育の定義
    これまでのストレスマネジメント教育の取組み
    学校におけるストレスマネジメント教育の今日的意義
    新しいストレスマネジメント教育モデル
    自己理解と他者理解を目的としたペア・リラクセーション

第5章 学校におけるストレスマネジメント教育に関する効果研究

    中学校におけるストレスマネジメント教育の効果
    生徒の実態に即したストレスマネジメント教育の効果
    スクールカウンセラーによるストレスマネジメント教育の効果
    学校を中心としたストレスマネジメント教育の展開
    ストレスマネジメント教育による教師の支援

第6章 総合考察

    心的構えと体験促進的援助
    動作体験様式とイメージ体験様式
    ストレスマネジメント技法における心的構えと体験様式
    ストレスマネジメントにおけるリラクセーションの効果
    学校におけるストレスマネジメント教育の留意点
    今後の課題

第7章 結  論

あとがき