ウィルフレッド・R・ビオン著/松木邦裕監訳/中川慎一郎訳

新装版 再考:精神病の精神分析論

A5判 200頁 定価4,410円(税込) 2013年10月刊


ISBN978-4-7724-1344-2

 英国を代表する精神分析家ウィルフレッド・R・ビオン。本書は,ビオン自身がケースを提示しつつ,精神分析と精神病理論について書いた8本の論文に,自らが再び思索を深め〈Second Thoughts〉,詳しく解説を加えたものである。
 フロイトからクライン,そしてビオンへと続く系譜は,対象関係論を支えてきた流れであり,今日の精神分析を理解するうえで,ビオンの存在はあまりにも重要なものとなっている。しかし,ビオンは,多くの精神分析理論に関する書籍を残しているものの,自分のケースを提示し,論文の形式で論考したものは,本書『再考』以外には存在しない。『再考』には,実際のビオンのケースの様子が垣間見られ,そこからいかにして後年の精神分析理論が広がっていったのか,その萌芽を見ることもできる。
 決して読みやすくも,平易な本でもないが,精神分析を真に理解したいものにとっては,重要な文献の一つとなっている。精神分析家だけでなく,精神分析を志すものにも,ぜひ手にとってもらいたい一冊である。

おもな目次

    1 イントロダクション
    2 想像上の双子
    3 統合失調症の理論についての覚書
    4 統合失調症的思考の発達
    5 精神病パーソナリティの非精神病パーソナリティからの識別
    6 幻覚について
    7 傲慢さについて
    8 連結することへの攻撃
    9 考えることに関する理論