The Unconscious at Work : Individual and Organizational Stress in the Human Services Anton Obholzer & Vega zagier Roberts(Eds.)


アントン・オブホルツァー,ヴェガ・ザジェ・ロバーツ編/武井麻子監訳/榊 惠子,他訳

組織のストレスとコンサルテーション
対人援助サービスと職場の無意識

A5版 320頁 定価(4,200円+税) 2014年4月刊 


ISBN978-4-7724-1357-2

 対人援助サービスに従事する人々が大きなストレスを抱えやすいことはよく知られている。また近年,医療・保健・福祉領域においても市場原理が導入され利益や効率が求められることで,組織やそこで働く個人のさらなる疲弊につながっている。これら職種で休職や退職が増加していることもまた問題とされる。本書では,このような状況を個人の病理や脆弱性に帰さず,組織のもつ問題と捉え解決するためのコンサルテーションを例示する。  対人援助サービスでは,その性質自体が個人だけでなく組織にまで影響し,問題を生みだす要因となっており,さらにそのプロセスが無意識に生じることから,問題と見なされるスタッフやクライエントを切り捨ててしまう恐れがある。しかし,例えそうしたとしても問題はまた形を変えて表れてくる。したがって問題解決のためには,組織の使命を明らかにし,仕事そのものの性質を正面からみつめ,援助者がどのような感情を体験しているのかを,組織全体として考える必要がある。  タビストッククリニックで続けられてきた「組織コンサルテーションワークショップ」をもとに,そこで用いられた精神分析,システム理論,ビオンのグループに関する業績,グループ関係トレーニングなどのモデルから,多数の事例を参考に組織コンサルテーションの実践と研究を紹介。

おもな目次

まえがき
序文
謝辞
守秘義務についての注記
はじめに 施設へのコンサルテーションの制度としてのルーツ

第Ⅰ部 理論的枠組み

    第1章 組織生活における無意識の諸相―精神分析からの寄与
    第2章 グループとチームでの仕事における無意識―ウィルフレッド・ビオンからの貢献
    第3章 職場という組織―開放システム理論からの寄与
    第4章 権限,権力,リーダーシップ―グループ関係トレーニングからの寄与

第Ⅱ部 痛みをもつ人々との仕事

    第5章 伝染の危機―組織における投影同一化のプロセス
    第6章 乳児特別ケアユニットにおける感情の問題に向き合う
    第7章 傷ついた子どもたちとの仕事における不安をコンテインすること
    第8章 死が私たちを分かつまで―高齢者ケアにおける思いやりと冷淡さ
    第9章 身体障害児学校の分裂と統合
    第10章 死にゆく人々とともに働く―ほど良い人でいること
    第11章 天使も踏むを恐れるところ―病院看護における理想主義,失望そして思考停止
    第12章 みずからに課した不可能なタスク

第Ⅲ部 危機にある組織

    第13章 組織の混沌と個人のストレス
    第14章 やっかいな個人と混乱した施設
    第15章 不確かな未来に直面すること
    第16章 声を発見する―脅威のもとにある組織における差異化,代表とエンパワメント
    第17章 助けを求める―スタッフサポートと感受性グループ再考

第Ⅳ部 より健康な組織へ

    第18章 公共機関における社会的不安のマネジメント
    第19章 ケアとコントロールのバランスをとる―組織の健康増進を焦点としたスーパービジョン関係
    第20章 対立と協同―グループ間の関係の管理
    第21章 評価―経験から学ぶ組織

あとがき
参考文献