鈴木純一著

集団精神療法
理論と実際

A5判 304頁 定価(4,800円+税) 2014年4月刊


ISBN978-4-7724-1359-6

 精神病院をよくするのにはどうしたらよいか、患者の声を治療に反映させるにはどのようにしたらよいのか、と悩み、痛みを体験しながら、一精神科医として出来ることは何かと自問して来て、著者がたどり着いた集団精神療法についての論集である。
 集団精神療法の基礎から治療共同体の成り立ち、臨床場面への応用までをわかりやすく説く。
 また、著者とMaxwell Jones, David Clark, 土居健郎とのつながりを通して、より深く“グループ”というものを理解することが出来るだろう。
 グループを毛嫌いする人もいるかもしれないが、誰しも必ず何かのグループに属している。本書を通して読者の間でグループついての議論があちこちで行われ、新たなグループが生まれることが著者の希望でもある。
 読み進めると著者の体験が不思議な世界へと誘い、グループ体験の意味について考えさせられるだろう。

おもな目次

はじめに
T 集団精神療法の基礎

    集団精神療法を始める前に
    集団精神療法から学んだこと
    なぜグループ療法か
    集団精神療法の臨床的意義
    大グループ
    土居健郎先生と集団精神療法
    集団精神療法と個人精神療法
    集団精神療法における父性の意味
    集団精神療法の倫理
    エッセイ:知ることの周辺

U 治療共同体:理論と実践

    治療共同体の成り立ち
    私の治療共同体体験―治療共同体とグループ・アナリシス
    いわゆる民主主義と治療共同体
    治療共同体概念はデイ・ケアにどう役立てられるか
    Maxwell Jonesの治療共同体と統合失調症の治療
    David Clarkが遺したもの
    David Clarkのこと
    エッセイ:精神科医の心の「こり」について

V 集団精神療法の臨床的応用

    精神病院の改善と集団精神療法
    統合失調症者の入院治療におけるグループワークの意義
    統合失調症の集団精神療法を巡って
    長期入院患者のリハビリテーションについて
    慢性,高齢の入院精神障害者のリハビリテーションの個人的な体験
    看護におけるチーム・ワーク

エッセイ

    看護の一体性とコンフロンテーション
    いろいろなグループに参加することの意味
    コミュニティミーティングから学べること―三人の看護師さんへの手紙

文献
あとがき

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