精神(心理)療法家の仕事といえば患者(クライエント)との面接であろう。しかし実は面接以前の仕事、面接をその周囲から支える仕事がたくさんある。本書では面接そのものについてももちろんふれるけれども、面接以前の、あるいは面接周辺の仕事にもできるだけふれてゆきたい。また精神療法という仕事のいわば道具でもある面接者自身についても考えてゆきたい。
 なお精神療法と心理療法、患者とクライエントを区別する考え方もあるが、本書に関する限り本質的に同じものと思っていただいてよい。私は医師として働いてきて、精神療法、患者という言葉に馴染んでいるので、ここではそちらを用いることとする。