あとがき

 本書は、雑誌「臨床心理学」の創刊号から2年間12回にわたって連載した文章を一書にまとめたものである。いくつかの章の順序を入れ替え、若干字句を訂正したほかは、ほぼ連載時の原稿そのままである。そのため若干記述に濃淡があったり重複があったりする。一書にまとめるにあたり全体を書き直すことも考えたが、連載時のある種の臨場感のようなものにも捨て難いところがあると思い、あえてそのままにした。12回にわたる連載は私にははじめての経験で、2カ月毎に30枚ほどの原稿を書くのがたいへん負担であったが、締切りのあったおかげでなんとか書けたという面もある。毎回寄せられた読者アンケートにある読者からの評や感想にもおおいに励まされた。こういう場を与えられたことに感謝しなければならないだろう。最後に付章として「私の研究をふり返って」という小論文を付け加えた。連載の中では直接ふれられなかったが、研究もまた精神療法家の大事な仕事だと思うからである。
……(後略)