TREATING TRAUMA AND TRAUMATIC GRIEF IN CHILDREN AND ADOLESCENTS


ジュディス・A・コーエン,アンソニー・P・マナリノ,エスター・デブリンジャー著/白川美也子,菱川 愛,冨永良喜監訳

子どものトラウマと悲嘆の治療
トラウマ・フォーカスト認知行動療法マニュアル

A5判 296頁 定価(本体3,400円+税) 2014年10月刊


 
 

ISBN978-4-7724-1387-9

 子どものトラウマ被害への援助と治療法の開発は,成人のそれと比して必ずしも順調に進展したとは言いがたい。
 本書で述べるトラウマ・フォーカスト認知行動療法(TF-CBT)は,トラウマやトラウマ性悲嘆を受けた子どもへの治療法として信頼すべき理論的基盤を持ち,科学的に効果が実証され,厳密な臨床家の養成システムに支えられているアプローチである。
 本書では,著者らの20年余にわたる臨床研究と実践現場での適用の試みを通してモデル化されたTF-CBTのすべてを余すところなく紹介する。第1部は,児童期トラウマの影響,TF-CBTモデルの概念,アセスメント技法を紹介し,第2部はトラウマに焦点を当てた構成要素を,覚えやすい頭文字の組み合わせ,PRACTICEを用いてわかりやすく描き出す。さらに第3部ではトラウマ性悲嘆に焦点を当てた構成要素を詳述する。どちらの構成要素についても,単なる施行法の説明に留まらず,綿密な研究成果と豊富な臨床体験双方から,文化や発達,子どもと親双方への介入の留意点,困ったときの対処法など,施行に必須の臨床感覚がみごとに凝縮されている。また,巻末の付録では,わかりやすい配付資料と情報の見本,子ども,親,治療者のための文献などの参考資料一覧を掲載した。
 子どものトラウマ治療の福音として訳出が待たれていたTF-CBTマニュアルが,第一線の臨床家らによってついに刊行された。

おもな目次

推薦のことば
日本の読者の皆様へ
著者らについて
序文
謝辞
目次

第1部 トラウマ・フォーカスト認知行動療法

    第1章 トラウマ,悲嘆が子どもと家族に及ぼす影響
      児童期のトラウマとは何か?
      トラウマ症状とは何か
      トラウマ性悲嘆が子どもに及ぼす影響
      なぜ児童期トラウマ性悲嘆を他の悲嘆と区別して扱うのか?
      段階的治療
      要約
    第2章 トラウマを受けた子どもに対するアセスメント技法
      トラウマ曝露を評価する
      PTSD症状のアセスメント
      それ以外の精神疾患のアセスメント
      児童期トラウマ性悲嘆のアセスメント
      家族にアセスメントをフィードバックする
    第3章 TF-CBTモデル─その仕組み
      TF-CBTモデルの発展の歴史
      子どもの個人治療モデルと親子合同治療モデル
      TF-CBTモデルにおける文化的価値観の重要性
      適応能力をのばすこと:補助サービスの重要性
      本書を使用する際の注意点
      まとめ
    第4章 TF-CBT治療者の役割
      治療関係が中心であるということ
      治療者の判断,スキル,創造性の重要さ
      治療者の資格認定と訓練
      こんなときどうしたらいいの?

第2部 トラウマに焦点を当てた構成要素

TF-CBTの構成要素の紹介

    トラウマに焦点を当てた構成要素1 心理教育
      TF-CBTモデルについての心理教育
      トラウマ性悲嘆を経験した子どもに対する心理教育
      こんなときどうしたらいいの?
    トラウマに焦点を当てた構成要素2 ペアレンティングスキル
      賞賛(褒めること)
      選択的注目
      タイムアウト
      随伴性強化プログラム
      こんなときどうしたらいいの?
    トラウマに焦点を当てた構成要素3 リラクセーション
      呼吸集中法/マインドフルネス/瞑想
      漸進的筋弛緩法
      トラウマ性悲嘆を持つ子どもたちに対するリラクセーション
      親に対するリラクセーション法
      他のリラクセーション技法
      こんなときどうしたらいいの?
    トラウマに焦点を当てた構成要素4 感情の表現と調整
      感情同定:子どもと一緒に気持ちを確認する
      親との感情表現
      思考中断と肯定的イメージ
      肯定的自己対話/ポジティブ・セルフトーク
      子どもの安全感の強化
      問題解決とソーシャルスキルを高める
      ソーシャルスキルを構築する
      扱いにくい情動状態を管理する
      トラウマ性悲嘆をもつ子どものための感情調整
      親向けの感情調整
      こんなときどうしたらいいの?
    トラウマに焦点を当てた構成要素5 認知対処と認知処理T─認知の三角形
      正確さを欠いた役に立たない思考の型
      親にとっての認知の三角形
      生き残った親の安全感の強化
      こんなときどうしたらいいの?
    トラウマに焦点を当てた構成要素6 トラウマナラティブ
      トラウマ性悲嘆を持つ子どものためのトラウマナラティブ
      トラウマナラティブを親と共有する
      こんなときどうしたらいいの?
    トラウマに焦点を当てた構成要素7 認知対処と認知処理U─トラウマ体験を処理する
      不正確な認知,役に立たない認知を探り,修正する
      トラウマ的な死と認知処理
      子どものトラウマを親と一緒に処理する
      こんなときどうしたらいいの?
    トラウマに焦点を当てた構成要素8 トラウマの想起刺激を実生活内で克服する
      こんなときどうしたらいいの?
    トラウマに焦点を当てた構成要素9 子どもと親の合同セッション
      こんなときどうしたらいいの?
    トラウマに焦点を当てた構成要素10 将来の安全と発達の強化

第3部 悲嘆に焦点を当てた構成要素
悲嘆に焦点を当てた構成要素の紹介

    悲嘆に焦点を当てた構成要素1 悲嘆の心理教育
      子どもに対する悲嘆の心理教育
      親に対する悲嘆の心理教育
      こんなときどうしたらいいの?
    悲嘆に焦点を当てた構成要素2 喪失を嘆くことと故人への両価的な感情の解決─「私が恋しいと思うこと・思わないこと」
      喪失を嘆き悲しむ:「私が恋しいと思うこと」
      故人にまつわる両価的な感情を解決する:「私が恋しいと思わないこと」
      喪失を嘆き,故人に対する両価的な感情に取り組む:親への適用
      こんなときどうしたらいいの?
    悲嘆に焦点を当てた構成要素3 故人のよい思い出を記憶にとどめる
      よい思い出を子どもの記憶にとどめる
      よい思い出を親の記憶にとどめる
      こんなときどうしたらいいの?
      悲嘆に焦点を当てた構成要素4 故人との関係を再定義し,現在の関係に向き合う
      子どもに対する故人との関係の再定義
      親に対する関係性の再定義
      1人で子育てできるのかという心配
      こんなときどうしたらいいの?
    治療の振り返りと治療の終結
      こんなときどうしたらいいの?

付録1 配布資料

    ドメスティック・バイオレンス情報シート[親用]
    ドメスティック・バイオレンス情報シート[子ども用]
    子どもの性虐待情報シート[親用]
    子どもの性虐待情報シート[子ども用]
    リラクセーションの手引き
    感情調整の手引き
    1週間で認知の三角形を練習する
    サークル・オブ・ライフ

付録2 資料

    子どもや若者向けの書籍
    親向けの書籍
    児童期の悲嘆に関する専門職のための資料
    児童期トラウマとトラウマ性悲嘆に関する専門職のための資料
    ゲーム
    ウエブサイト

付録3 そのほかの研修機会について

    TF-CBT WEB
    全米子どものトラウマティック・ストレス・ネットワーク

監訳者あとがき