奥村茉莉子,統合的心理療法研究会編

村瀬嘉代子のスーパービジョン
事例研究から学ぶ統合的心理療法

A5判 230頁 定価(本体3,200円+税) 2015年3月刊


 
 

ISBN978-4-7724-1416-6

 「心理臨床の基本目的」は,目前のクライエントがともかくも現実社会の中で生きられるようになることである。  本書は,村瀬嘉代子を中心に三十余年継続してきた統合的心理療法研究会における事例研究のエッセンスを公開するものであり,それぞれの筆者が村瀬嘉代子のスーパービジョンから得た重要な気づきや学びが収められている。心理臨床実践における相互関係の基底に密かに存在する「もてなすこころ」とは何か? 各執筆者の臨床態度は,理論や技法に沿うというよりはまずクライエントを人として遇し,きわめてプラグマティックに援助者として振る舞うことを主眼とする。各論考に添えられた村瀬のコメントは,臨床体験に裏打ちされた示唆に富むものであり,本書全体が良質の質的研究の成果となっている。そして,編者(奥村)の論考は,〈統合的心理療法〉と村瀬嘉代子の心理臨床への優れた手引きとして読むことができよう。

おもな目次

はじめに―村瀬嘉代子の心理療法/奥村茉莉子
村瀬嘉代子の〈統合的心理療法〉が含意するもの/奥村茉莉子
生活という視点を臨床にとりいれる/萩谷克子
クライエントのイメージの描き方―セラピストが果たす役割/和田理江子
グループスーパービジョンを職業生活に取り込むとは/久米泉美
心理療法の『芯』―本質と具象化/大河由美子
コミュニケーションを紡ぐ、関係を育てる/大久保久美代
今、この方に必要な支援を/佐藤珠己
青年期の心理療法―心理的援助者の役割/愛甲修子
体験から考えること/山田庸子
臨床において現象の背景を考え続けるとは/工藤宏子
視界が開けるとき/滝川典子
補遺―本書の結びにかえて/奥村茉莉子
解説/村瀬嘉代子
おわりに/村瀬嘉代子