窪田 彰編著
青木 務,坂本沙織,・鈴木純一,野田文隆,高柳 功,長谷川直実,原 敬造,福田祐典,三家英明共著

多機能型精神科診療所による地域づくり
チームアプローチによる包括的ケアシステム

A5判 230頁 定価(本体2,700円+税) 2016年3月刊


 
 

ISBN978-4-7724-1462-3

 日本の精神科医療は、入院中心から地域ケア中心への転換期にあたり、地域活動の広まりを見せ、その過程で精神科地域ケアのこれからの方向性を模索している。近年は精神科デイケアの実践を契機に、精神科診療所にも精神保健福祉士・作業療法士・心理士等のコメディカル職員が増え、多職種によるチームが精神科外来に形成されつつある。外来診療の場に看護やコメディカルが増えるとともに、必要に迫られて訪問診療や訪問看護等のアウトリーチを実施する多職種で多機能な精神科診療所も徐々に増えてきた。
 障害を持つ人たちが地域で暮らしていくために必要なのは、@自尊心を持つこと、A再発しない生活を維持すること、Bどんな場面でも自立の可能性を探ること、Cお互いに(支援者側も)生きて良かったと思える人生を歩むこと、である。
 本書では、精神科医療が地域ケア中心に移行してゆく中で、将来の日本の精神科地域ケアを支える仕組みを検討していく。

おもな目次

はじめに
1.総論

  • ・多機能垂直統合型精神科チーム医療とは何か
  • ・多職種・多機能型精神科診療所の発展
  • ・地域における多職種チームの形成と垂直統合
  • ・日精診による調査研究等の結果から多機能型を考える
  • ・多機能垂直統合を精神科医療政策との関わりから考える

2.各論

  • ・外来医療の発展と地域ケアチームの形成
  • ・精神科外来医療の実践とコメディカルとの恊働
  • ・精神科デイケア・ナイトケアの実際
  • ・訪問看護及び訪問看護ステーションの実際
  • ・ケースマネジャーとチームミーティングの持ち方
  • ・在宅療養支援診療所とアウトリーチ医療の発展
  • ・相談支援事業における計画相談の方法
  • ・地域移行支援事業と地域定着事業の実際
  • ・関連医療機関及び自立支援事業との連携
  • ・自立支援事業所の立ち上げ方
  • ・就労支援の実際と障害者就労
  • ・24時間対応と「医療強化型グループホーム」の必要性
  • ・クリニカルパスと臨床評価の課題
  • ・地域ケアにおける責任性と緩やかなキャッチメントエリア

3.実践事例

  • ・診療所での実践:原クリニック
  • ・診療所での実践:三家クリニック
  • ・診療所での実践:デイケアクリニックほっとステーション
  • ・小規模精神科病院での実践:有沢橋病院
  • ・総合病院精神科での実践:旭中央病院

4.諸外国の実践から学ぶ

  • ・イタリアの地域精神保健チームの実践
  • ・カナダの地域精神保健チームの実践
  • ・イギリスでの地域精神保健チームの実践

5.多機能垂直統合型精神科チーム医療の充実のために

  • ・機能の積み重ねから質的転換へ
  • ・多機能垂直統合型精神科チームを「地域精神保健センター」に

おわりに