田嶌誠一編著

現実に介入しつつ心に関わる[展開編]
多面的援助アプローチの実際

A5判 400頁 定価(本体4,400円+税) 2016年2月刊


 
 

ISBN978-4-7724-1476-0

 本書は,〈壺イメージ法〉と称するユニークなイメージ療法を考案し,さらには不登校やいじめをはじめ青少年のさまざまな心の問題の相談活動や居場所づくりとネットワークを活用した心理的援助を行ってきた田嶌誠一の独創性溢れる臨床実践と田嶌から影響を受けた周囲の臨床家たちによる論考を集約したものである。
 著者(田嶌誠一)は,現場のニーズを「汲み取る,引き出す,応える」ために独創的且つ実践的・多面的アプローチを提唱実践してきた。本書のテーマは,スクールカウンセリング,児童虐待,いじめ,不登校・ひきこもりなどの学校臨床,境界例や強迫,うつ等の疾患,そして田嶌が臨床実践の集大成として取り組む,児童福祉施設における暴力問題,と多岐に亘っている。これら臨床的知見の宝庫とも呼ぶべき各々の論考を読み解き問題意識を共有することで,読者は心理面接技術を確実に増強することであろう。

おもな目次

はしがき 田嶌誠一
第Ⅰ部 田嶌心理臨床が拓くもの

  • はじめに:田嶌誠一
  • 田嶌心理臨床との対話が拓くもの:當眞千賀子
  • 個人内要因,環境要因,システム要因の相互作用について:杉原保史

第Ⅱ部 内面探求型アプローチの展開

  • 私はこんなことをやってきた:田嶌誠一
  • 壺イメージ法の心理臨床への貢献:松木 繁
  • イメージ療法の体験から得た臨床知:福留留美
  • アスリートへのイメージ療法の適用と留意点:山中 寛
  • トラウマの心理療法としての壺イメージ法:中島暢美
  • イメージ療法の可能性:松下幸治
  • イメ−ジの体験様式に関する研究:松本明夫
  • 青年期における悩み方に関する研究:阿部悦子
  • こころの整理応急法としての「こころの壺」について:蒲生紀子
  • 「強迫的構え」をゆるめる―:田嶌誠一
  • 【資料】壺イメージ法の手引き:田嶌誠一

第Ⅲ部 ネットワーク活用型アプローチの展開

  • 私はこんなことをやってきた:田嶌誠一
  • 学校臨床現場のニーズを汲み取り,引き出し,応える心理臨床とは?:八巻 秀
  • 現実への介入に重心をおいた事例を通して:久持 修
  • スクールカウンセリングにおける実践活動の展開:佐々木健太
  • スクールカウンセラーの活動形成:吉村隆之
  • 学級風土から考える教師支援:安藤 徹
  • 児童相談所臨床における安全と安心:佐々木大樹
  • 【付録】転移分析についての覚え書き:田嶌誠一

第Ⅵ部 システム形成型アプローチの展開

  • 私はこんなことをやってきた2:田嶌誠一
  • 施設の暴力と人類学:飯嶋秀治
  • 施設内暴力に対する愛知県児童相談所の取り組み:築山高彦・井上香奈子
  • 「吉田ホームを応援する会」の活動―ファミリーホーム版の安全委員会活動:紫牟田和男
  • 「児童自立支援ガイドライン」の策定:千葉寛,藤森裕司,浮中早苗,?地幸代
  • 「九州大学こころとそだちの相談室」の〈こころ〉と〈そだち〉:澤聡一,姫島源太郎
  • 公立中学校における夜間校内適応指導教室:姫島源太郎
  • 大学の研究室を活用した居場所活動:姫島源太郎
  • 精神保健福祉士資格で広がる多面的援助アプローチのカタチ:入江真之

あとがき