大野 裕+精神療法編集部 精神療法増刊第4号

認知行動療法のこれから―取り組むべき課題


B5判 242頁 定価(本体2,800円+税) 2017年5月刊


 
 

ISBN978-4-7724-1560-6

 認知行動療法の方略(スキル)は日常的に使われているストレス対処法をわかりやすくまとめたもので、うつ病や不安症/不安障害などの精神疾患の治療としてはもちろん、一般身体疾患での精神的苦痛や、さらには日常生活でのストレスへの対処法として広く用いることができる。
 しかし、上記のように利用可能な領域が広いだけに誤解されて用いられることが少なくない。しかも、スーパービジョンなどの訓練をきちんと受けないまま、本を読んだだけで安易に用いられることさえある。そういった実践では、教則本を読んだだけで路上運転をするのと同じことで、きわめて危険である。
 そこで、本特集では、厚生労働省が実施しているうつ病の認知行動療法研修事業の体験をもとに、認知行動療法の質を担保するためにこれから必要になる取り組みについて、先生方のお考えをきくのがテーマである。

おもな目次

(序)CBTにおいて大切なこと
認知行動療法の質の担保の重要性と今後の可能性:大野裕

T 概論

  • スーパービジョンの基本:藤澤大介
  • 認知行動療法の質を客観的に評価するためには:菊地俊暁
  • 認知行動療法の副作用:岡本泰昌
  • インターネットを用いた認知行動療法研修の可能性:中尾重嗣・中川敦夫
  • 看護領域における認知行動療法教育研修:岡田佳詠
  • 公認心理師と認知行動療法研修―スーパービジョンとワークショップ:丹野義彦
  • 英国における認知行動療法研修:宗未来
  • 米国における認知行動療法研修:堀越勝
  • 認知行動療法の質の担保と経済的意義―費用対効果の観点から:佐渡充洋

U 私のスーパーヴィジョン体験:スーパーヴィジョンから得られたこと

  • 私のスーパーヴィジョン体験―大学生メンタルヘルスの現場での取り組みを中心に:神人蘭
  • 学生メンタルヘルス:工藤喬
  • 学校で生徒の心を誰がどう支えるのか―認知行動療法の役割 癒す/はぐくむ:中野有美
  • 私のスーパービジョン体験―産業現場にどのように活かされたのか:宇都宮健輔
  • 私のスーパービジョン体験―産業現場:坂本友香
  • 身体医療現場から:小川成
  • 私のスーパーヴィジョン体験―在宅医療:夏堀龍暢
  • 私のスーパーヴィジョン体験―救急・自殺:耕野敏樹
  • 児童・思春期:宇佐美政英・岩垂喜貴・牛島洋景
  • 地方都市でのスーパービジョン体験―心理士4人の体験から:松本和紀・渡部亜矢子
  • 私のスーパーヴィジョン体験―開業診療所の視点より:岡崎純弥
  • 医学生を対象とする認知行動療法の教育:野村俊明
  • 私のスーパービジョン体験―初期研修医:大久保 亮
  • 私のスーパービジョン体験―後期研修医への教育についての考察:安野史彦
  • 私のスーパービジョン体験―精神科専門医の立場から:久我弘典
  • スーパーヴィジョンにおけるCTRS評価:樽谷精一郎
  • スーパービジョンのスーパービジョン:川口彰子
  • 産業医・産業看護職のために必要な認知行動療法研修:田中克俊

V 誌上スーパーヴィジョン・ケース検討

  • 一例のCTRS評価の経験をもとに―ケースディスカッション:林正年

W 座談会(これからのCBTの教育について)

  • 司会:大野裕
  • 岡田佳詠,北川信樹,丹野義彦,藤澤大介(五十音順)

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