妙木浩之+精神療法編集部 精神療法増刊第5号

精神分析の未来を考える


B5判 220頁 定価(本体2,800円+税) 2018年5月刊



ISBN978-4-7724-1623-8

 精神分析は現在、衰退期に入っているという議論がしばしば国際的に言われる。
 大きな理由は、経済が低成長期に入った英米の国々は、時間とお金と空間とが必要なセラピー文化を削減する方向にあるからだろう。
 しかし、南米やアジアには、精神分析の勢力が広がりつつあり、発展途上の経済成長や潜在的な発展の可能性のある文化には、こころの健康についてのセラピー文化が不可欠であるというこれまでの知見に基づいて、今後も都市部を中心に精神的健康を抱えるための文化として発展し続けていくだろう。
 精神分析は長期療法としてその一翼を担っていくという予測とともに、これからの精神分析の可能性について、未来地図を描くというのが今回の特集の意図である。

おもな目次

(序)……妙木浩之

T 精神分析の現在:総説

  • 米国での精神分析の現在……川畑直人
  • ロンドン・クライン派の現在……飛谷 渉
  • 精神力動論の発展:メンタライゼーション……池田暁史
  • 自己心理学の世界地図……富樫公一
  • 関係精神分析……横井公一

U 精神分析の最前線

  • 精神分析状況・設定論……池田政俊
  • 精神分析の新しい技法論……岡田暁宜
  • 治療的交流……吉村 聡
  • 関係性理論の発展:新しい地平と批判……吾妻 壮
  • 陰性治療反応,羨望そして病理的自己構造論へ……衣笠隆幸

V 未来の鳥羽口

  • ラカン学派の発展……向井雅明
  • 英国の公的機関における精神分析的精神療法の今後の方向性……阿比野 宏
  • 愛着理論から見た発生論……岡野憲一郎
  • 「50年後のピグル」とウィニコット以後……加茂聡子
  • エヴィデンスの世界を生き残る……鈴木菜実子

W エッセイ

  • 小此木啓吾と治療構造論……深津千賀子
  • ピーター・フォナギー……東 啓悟
  • ドンネル・スターン……小松貴弘
  • 間主観性理論……角田 豊
  • アーウィン・ホフマンの儀式と自発性の弁証法……小林 陵
  • アルゼンチンの精神分析運動……加茂聡子
  • アントニーノ・フェロ……福本 修
  • ピエール・マーティとパリ心身症学派……堀川聡司
  • ジャン・ラプランシュの仕事……十川幸司
  • メルツァーの発展……西見奈子
  • ベティー・ジョセフと投影同一化の臨床……小川豊昭
  • アイゲン……工藤晋平
  • 短期力動療法の歴史的発展……飯島典子
  • ブロンバーグと外傷の理論……吾妻 壮
  • スターンの出会いのモーメント……森さち子
  • ボストン変化プロセス研究会の成果……松本智子
  • カーンバーグのIPA訓練制度批判と提案……岩崎徹也
  • クリストファー・ボラス……館 直彦
  • ブリトンの思考の発展……古賀靖彦
  • 現代学派の精神分析:精神分析家の資格をめぐる葛藤……鳥越淳一

X 精神分析の未来

  • 精神分析の未来 個人的見解……藤山直樹
  • 北山理論の発展:有無を言わせながら……北山 修
  • 精神分析の未来地図のために……妙木浩之

Y 座談会 精神分析の未来地図

  • 司会:妙木浩之
  • 上田勝久・鈴木智美・山崎孝明・吉沢伸一(五十音順)

関連書