橋本和明編著

犯罪心理鑑定の技術

A5判 256頁 定価(本体4,200円+税) 2016年7月刊


 
 

ISBN978-4-7724-1502-6

 司法専門職ではない裁判員が重大事件を裁判官とともに審議・判断する裁判員裁判制度が平成21(2009)年に始まり,「なぜ彼/彼女は罪を犯したのか」という根本を問うことの重要性はかつてなく高まりつつある。裁判を受ける被告人の心理や犯行メカニズムを見定める手法「犯罪心理鑑定」は情状鑑定とも呼ばれ,専門家=鑑定人の法廷証言において,被告人のパーソナリティ,家庭環境,成育史を調査し,犯罪との関係を解説するだけでなく,被告人の更生の可能性やその方法について見解を述べ,裁判員が被告人の全体像をとらえた判断を下すための条件を整えていく。
 第1部「技術としての心理鑑定」,第2部「情状鑑定としての心理鑑定」,第3部「心理鑑定の臨床的意義」,第4部「心理鑑定の今後の展望」から構成される本書では,方法としての犯罪心理鑑定を,精神鑑定との対比や司法領域におけるポジションから幅広く論じる。さらに少年事件,非行,発達障害,いじめ,虐待の犯罪心理鑑定ケーススタディ,被告人の変容と更生を目指す臨床面接,民事事件における意義,供述分析鑑定を取り上げ,未だ十分に彫琢されていない犯罪心理鑑定の基礎構造の確立を目指す。
 心理鑑定専門家たちの経験を結集して実務に資する高い技術を育むための「犯罪心理鑑定マニュアル」。

おもな目次

第1部−技術としての心理鑑定

  • 1−犯罪心理鑑定の意義と技術/橋本和明
  • 2−裁判員制度時代の精神鑑定/井原 裕
  • 3−法律家が求める心理鑑定/廣瀬健二

第2部−情状鑑定としての心理鑑定

  • 4−少年事件における心理鑑定/村尾泰弘
  • 5−発達障害と心理鑑定―[論考]人を殺してみたかった/小栗正幸
  • 6−虐待事件における心理鑑定/西澤 哲

第3部−心理鑑定の臨床的意義

  • 7−心理鑑定における臨床面接の意義/須藤 明
  • 8−被告人の変容と更生に資する――情状鑑定の意義/山田麻紗子
  • 9−心理の専門家の民事事件への関わり/横山 巌
  • 10−供述分析としての鑑定/仲真紀子

第4部−心理鑑定の今後の展望

  • 11−「裁判員裁判のための対人援助専門職ネットワーク」の活動と意義/藤原正範