ウィルフレッド・R・ビオン著/祖父江典人訳

新装版 ビオンとの対話

A5判 176頁 定価(本体4,200円+税) 2016年8月刊


 
 

ISBN978-4-7724-1505-7

……この『ビオンとの対話──そして,最後の四つの論文』は,精神分析の書ではありますが,系統立った真新しい理論書でもなければ,臨床に即座に活用できる治療技法書でもありません。しかし,本書ほどに精神分析を感じさせてくれる,精神分析を考えさせてくれる書物はほとんど見あたらないでしょう。……その意味では,まさに精神分析臨床での座右の書となる書物と言えるでしょう。
……ビオンの斬新さは,カタストロフィックな解体感という人としての根源的不安を臨床での心の理解の基底に置いたこと,心的な排出とそのコンテイニングという心の原始的プライマリィ・プロセスに根差した母親と乳児の新しい心的交流モデルを堤示したこと,認知とは情緒体験であるという斬新な見解を含む,思考(考えられる観念)の発達と思索(考えること)の展開による新しい心/パーソナリティの成熟モデルを示したこと,精神分析治療関係モデルとして,コンテイナー/コンテインド,PSとD,Kリンク,Oといった人間の本質についての理解につながるまったく独自の見解を表したこと,分析技法における解釈や直感の活用を心の誕生という新たな視点から述べたことなど,挙げるにこと欠きません。こうしたビオンの精神分析での英知はじっくり学んでいただく必要があるものです。……4つの討論やこれらの論文を読んでいくことで,私たちも精神分析や心について,考えをめぐらしていくことになりましょう。そしてそれは,私たちにいずれ必要な心の営みでありましょう。……(本書より抜粋)

おもな目次

■ビオンとの対話

  • 対話1
  • 対話2
  • 対話3
  • 対話4

■最後の四つの論文

  • 情緒の攪乱
  • フロイトからの引用について
  • 証拠
  • 思わしくない仕事に最善を尽くすこと

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