ウィルフレッド・R・ビオン著/松木邦裕,祖父江典人訳

新装版 ビオンの臨床セミナー

A5判 230頁 定価(本体4,500円+税) 2016年8月刊


 
 

ISBN978-4-7724-1506-4

 メラニー・クラインやウィニコットとともに,英国精神分析の潮流となっているウィルフレッド・R・ビオン。本書は,ビオンがブラジリアとサンパウロで行った,南米のアナリストたちが提示する症例へのスーパーヴァイジングの模様をまとめたものである。
 認識論的な観点から精神分析に迫ったビオンの著作は難解であると言われるが,晩年のビオンはセミナーや対話を通して「こころのなぞ」に対する自由で直観的な思索を広げていった。本書はその時期のもので,いわばビオンのエッセンスが凝縮している。また,ケース・プレゼンテーションにビオンが応える貴重な記録でもあり,彼の精神分析臨床にたずさわっている姿が全面に出,彼が面接室で見せていた解釈や考えの実際を目のあたりにできる。
 本書ほど,精神分析を感じさせてくれる,精神分析臨床の只中にいる気にさせてくれるものはないだろう。ビオンを知る,精神分析を知る,恰好の一書である。

おもな目次

訳者まえがき──ビオンとの出会いによって,「生まれいづるもの」──:祖父江典人
編者の覚え書き:フランセスカ・ビオン
ブラジリア1975
パネルディスカッションへの寄稿 ブラジリア,新たな経験
サンパウロ1978
訳者解説:松木邦裕