Ego Psychology : Theory and Practice

ガートルード・ブランク,ルビン・ブランク著/馬場謙一監訳/篠原道夫,岡元彩子訳

自我心理学の理論と臨床
構造,表象,対象関係

A5判 352頁 定価(本体6,200円+税) 2017年7月刊


 
 

ISBN978-4-7724-1567-5

 本書は,精神分析の理論と臨床を包括的に学ぶことのできる教科書である。
精神医学の領域で,人間の心の内奥が軽視されるようになって久しい。しかし,生物学主義が主流の現代にあって,それに疑問や満ち足りぬ思いを抱く治療者には,是非手に取って欲しい1冊である。人格の形成が幼児期の母子関係の中で達成されたり障害されたりすること,それが治療関係に大きく影響することなど,言い古されたことではあるが生物学だけでは解き得ない多くの事柄があることを,あらためて知るはずである。
 ブランクらの発達理論では,いわゆる境界例や自己愛人格は神経症者と異なり,人格がまだ構造化しておらず,発達の遅滞があるため心理的誕生に達していないとする。そして技法は,精神分析的発達理論を拠り所に,その発達の遅滞がどこにあるのかを,連想や夢や行動やあらゆる素材から把握し,遅滞地点からの発達を促すように進めていく。
 二部構成になっている本書は,第T部(理論編)ではマーガレット・マーラーの分離個体化理論を中核に,フロイト父娘をはじめとする自我心理学者の業績を総括し,自我心理学がいかにして対象関係理論になったかを示し,対象関係の用語で構造の性質を説明する。第U部(技法論)では,現代精神分析の包括的な技法論を展開し,正しい理論的背景があれば,治療者が患者の治療的要求に応えられることを事例を通して解説する。

おもな目次

第T部 理論

  • 第1章 自我心理学の基礎と発展
  • 第2章 葛藤理論,欲動理論,自我心理学的対象関係論
  • 第3章 ハルトマンの貢献
  • 第4章 ハルトマンと共同研究者の貢献
  • 第5章 エルンスト・クリスの貢献
  • 第6章 エディス・ジェイコブソンの貢献
  • 第7章 ルネ・A・スピッツの貢献
  • 第8章 マーガレット・S・マーラーの貢献
  • 第9章 オットー・F・カーンバーグの貢献
  • 第10章 ハインツ・コフートの貢献
  • 第11章 対象関係論と構造の形成
  • 第12章 対象関係からみた人間の性

第U部 技法

  • 第13章 記述的発達診断と発達支点
  • 第14章 精神分析と心理療法の差異
  • 第15章 分析治療の開始について
  • 第16章 治療開始の実際問題
  • 第17章 解釈できる転移と解釈できない転移
  • 第18章 動機づけのない患者と抵抗
  • 第19章 前言語期経験の再構成
  • 第20章 心理療法と夢
  • 第21章 解  釈
  • 第22章 抑  鬱
  • 第23章 心理療法の特殊技法
  • 第24章 終  結

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